芸を磨く。
近年、お仕事の関係で、
さまざまなお芝居にご招待いただきます。
たくさんの役者さんが次々と登場するお芝居。
役者さんの顔と名前がほとんど一致しなくても、
「あ!この人はきっとベテラン。
「これは、きっと名優といわれている人」
ということは、一声聴くと、すぐわかる。
「声」が、全然違うのです。
大きい声を出しているわけでもないのに、しっかりと響く。
声が抜けてくる。
ごくごく自然に語っているだけなのに、
ことばが一字一句、くっきりと聞こえてくる。
一方で、若手の役者さんや、
技術的にまだまだの役者さんも、これまた一声聴くとわかります。
ムキになって声を張る。
響きが不十分なのでキンキンし過ぎる。
または緊張したような声になる。
公演が続くと声が枯れて、ガラガラになってしまう。
だからなおさら声を張る。
ことばをくっきり発音しようとするばかりに、
妙にカツゼツが不自然になる・・・・。
ベテランたちは長い修行と積み上げた経験を通して、
声を届けるためのフォームと、カラダのバランス、
そして、筋力を、培って来たのですね。
やたらと声を張って、
遠くに声を飛ばそうとする若手俳優を見ていると、
アメリカの郊外で見かける新聞配達を思い出してしまいます。
映画で見かけませんか?
自転車でばーっと走りながら、
そのスピードをゆるめることなく、
配達先の家の前庭に、文字通り新聞を、”ぶん投げる”少年たち。
新聞は、時にイレギュラーに回転しながら、びゅーんと飛んで、
広い庭にドサリと落ちる。
対するベテラン俳優の声は、
バスケットボールの名選手たちの鮮やかなフリースロー。
ふわりと放物線を描いて、ゴールにすとんと吸い込まれていく。
発声でも、スポーツでも、もちろん仕事でも、
確実に結果を出したければ、
やるべきことは、3つしかありません。
- ゴールを見定めること。
- 明確な地図を描き、フォームを整えること。
- 繰り返しトレーニングして、筋力を鍛え、精度を上げること。
これらのバランスを整えることを、
「芸を磨く」というのですね。
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