大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

本気でやりたいなら、「なんか」やれ。

   

アーティストやタレント、声優の、
新人育成を担当させていただく機会が多々あります。

事務所やレコード会社の方々が期待しているのは、
歌そのものの上達はもちろん、
日常生活の送り方、
毎日の練習方法、
レコーディングや本番の準備など、
プロとして必要なマインドを育てること。

何ごとも最初が肝心。
お仕事どころか、
レッスンすら初体験の若者たちの教育係は、
実に責任重大で、
毎回身の引き締まる思いで担当しています。

「毎日、なにしてるの?」

若者たちのレッスンは、
初回のこんな質問ではじまります。

起床時間、就寝時間、食事時間、
通学時間やバイトの通勤時間、
勉強や運動に充てている時間、

そして、もちろん、
毎日、どんな風に歌に取り組んでいるのか。

こうした質問をして、
毎回、本気で驚くのが、

「歌を志している」はずなのに、
日常的な練習の習慣を持っている子が、
びっくりするくらい少ないこと。

楽器を志している人には考えられないことでしょう。

歌は、それくらい、
「何をやったらいいかわからない」もののようです。

しかしね。

根本的な「歌いたい」というパッション、
「うまくなりたい」という欲求がなければ、
歌は絶対に上達しません。

「歌いたい」というエネルギーがない人が、
歌で成功するほど、音楽の世界は甘くないし、

いや、少なくとも私はそう信じたいし、

「うまくなりたい」という欲求がない人に、
レッスンをするのは、時間の無駄というもの。

若者たちに、そんなことを、
根気よく伝えていきます。

別に、発声練習をしろと言うのではありません。

本気の子たちは、
自分で方法論を模索しながら、
がむしゃらに前に進んでいきます。

大好きなシンガーのアドリブやフェイク集をつくって、
徹底的にマネをしたという子がいました。

マライヤ・キャリーの難曲を、
何ヶ月もかけて完コピーしたという子がいました。

上達のためにSNSに、
定期的に自分の歌をアップしていた子がいました。

 

そこまでやれなかったとしても、

歌えない曲を、
毎日音源に合わせて一緒に歌う、でもいい。

カラオケやスタジオに通って、
大きな声で好きな歌を歌いまくる、でもいい。

本気でやりたかったら、
「なんかやる」もんです。

「やる気のエネルギー」は
人から与えられるものではありません。
自分自身の内側から沸き起こるもの。

火をつけて差し上げることはできても、
エネルギーそのものを注入することはできません。

日常が人をつくる。

本気で何かに取り組む心構えがなければ、
人の心を動かす仕事はできません。

そんなメッセージを真摯に受け止め、
自分自身のやる気のエネルギーを呼び覚ませる子だけが、
どんどん上達していくのです。

最後に試されるのは、「本気」と「やる気」なんですね。

 11月23日(月・祝)13:00〜 幾多のJ-popアーティストのレッスンを手がけてきたMISUMIによる、初のJ-POPバージョンアップセミナー。バージョンUP zoomセミナー / J-POP篇』

 - B面Blog, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法, ある日のレッスンから

  関連記事

ロックもデートも飲み会も、ぜんぶ投資なんだ!

起業の勉強をはじめたばかりで、 あまりのアウェイさに、 毎日、本気で吐きそうなく …

目一杯のインプット&勝負をかけてのアウトプット

どんな人にも、 スキルを上げるべく、目一杯インプットしたり、 勝負をかけて、アウ …

夏の価値を高める「8月いっぴっ!」の習慣

こどもの頃から、 月初めの日記には、 今月やったるで!なことを書き並べ、 最後に …

「真面目がダメならどうすればいいの?」

真面目にやれ。 一所懸命にやれ。 丁寧にやれ。 こどもの頃から、 よく言えば、閃 …

「努力」なんか好きじゃないっ!

「あなたみたいに、努力するのが好きな人のマネはできないわ。」 一緒にお仕事をやっ …

「能書きが多いヤツ」は上達しない。

「歌って何才までうまくなるんですか?」 実によくされる質問ですが、 こればかりは …

「変わってる」って、なんだよ?

自分は何に、どんなことに、反応する体質なのか。 自分のアンテナは何に反応し、どん …

ちゃんと鳴らす!

ヴォーカルのテクニックのひとつに、 「息混じりに歌う」というのがあります。 基本 …

「負の妄想」をぶっ壊せ!

一昨日のマインドセットセミナーで、 15年前の妄想日記の一部を紹介するという、 …

「オーツキ社長、いらっしゃいますか?」

「オーツキ社長、いらっしゃいますか?」 最近、こんな電話が会社の方によくかかって …