大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

人生は「パッション」がつくるのだ。

   

ある時期、心から夢中になって、
一度でも自分のカラダの中を通り過ぎたものは、
自分自身の一部となって、
一生カラダと心に残ります。

出会いが鮮烈なほど、
夢中になる時期が長いほど、
そして、その関係性が深いほど、影響力は絶大で。

何年経っても、
もはや意識に上ることさえなくても、
カラダに残る「夢の跡」が、
今の自分自身をつくり、
自分自身の価値観を決めているのですね。

素晴らしい音楽も。
感動的な出会いも。
目の覚めるような風景も。

おとなの感性で、冷静に振り返れば、
「あー、それあかんやろ」と思えることも。

「なんであんなのに夢中になっちゃったんだろ」と、
思える人も。

穴があったら入って、
なんなら上から土かぶりたいようなことも。

ぜーんぶ今の自分の一部。

誰にも取り上げることのできない、
自分自身の財産です。

だから、結局、
人生は「パッション」がつくるのだと。

「もっと頭使って、世の中上手に渡っていかなくちゃ」と、
損得勘定、利害優先で、
がんばったことって、なんにも残らない。

形じゃない。
数字じゃない。
名前じゃない。

夢中になれるか。なれないか。
それだけ。

幸せを感じるのは「心」なのだから、
人生を選び取るのも、やっぱり「心」。

パッションを追いかけて生きていけたら、
それが幸せなのだな、と。

山のような古いカセットテープに刻まれた、
たくさんの思い出を振り返りながら、
そう確信した午後でした。

◆【ヴォイトレマガジン『声出していこうっ!me.』】
ほぼ週1回、ブログ記事から、1歩進んだディープな話題をお届けしているメルマガです。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めます。

 - B面Blog, Life, 夢を叶える

  関連記事

心のブレーキをぶっ壊せ。

初めてシーケンサーを手に入れて、 ひとりで音楽をつくりはじめたのは、 22〜23 …

イケてないプレイヤーは弾きすぎる。

イケてないプレイヤーは弾きすぎる。 よく言われることばです。 例えば、 ソロを弾 …

練習の結果が出ない3つの理由

「毎日練習してるんですけどね・・・」 結果の出ない人ほど、 自分がいかに練習に時 …

大きな波を引き寄せる

音楽の仕事には、大きな波のようなものがあって、 来るときには、ど〜〜っと来て、 …

人はみんな、違うのだ。だから、おもしろいのだ。

音楽というのはある種のトリガーで、 サウンドやフレーズや声が 感情とか記憶とか、 …

自分のお尻を蹴飛ばす瞬間

「えいっ!」 やらねばならぬ、 やりたい、 いや、やるのだ。 そう決意をかためて …

音楽業界で「出会い」と「チャンス」をつかむ5つのヒント

音楽の世界で生きていくため、 認められるため、 生き延びるためには、 自分のゴー …

よき時代のよきものを、 いい形で後世に伝える方法

高校時代、何が嫌いって「古文」の授業くらい 嫌いな授業はありませんでした。 使わ …

声の温度。歌の肌触り。音の匂い。

ボタンひとつで音色を自在に変えられる、 いわゆるデジタル・シンセサイザーが登場し …

ミュージシャンに、定石も王道もない!

「MISUMIさんは、何才から歌っているんですか?」 「やっぱり楽譜が読めないと …