大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

なんだ、カラオケって、楽しいじゃんっ!

   

あたくし、今さら言うのもなんですが、
実は、カラオケが大の苦手でした。

これ、ミュージシャンあるある、というか、
そうね、
昭和のミュージシャンあるあるだと思うんですが。

そもそも、音楽はじめた頃は、
楽器に乗って歌いたかったら、
自分で楽器をやるか、
楽器の人に、お願いするかの二択。

だから、みんな一所懸命に楽器やったり、
バンドやったりしたのね。

で、あたしたちが一所懸命練習に励んでいた頃、
カラオケというのが巷に登場しまして。
当時はもっぱら、酔っ払いのおじさんが演歌を歌うツール、
というイメージだったわけで。

やがて瞬く間に
家族連れや学生達までが通うほどポピュラーになっても、
音のクオリティがどんどん上がっても、

バンドでしか歌ったことのない、
邦楽音痴の私にとっては、
できるだけ近寄りたくない、超アウェイなシロモノでした。

断れないお付き合いで、カラオケに出かけることになっても、
なるべく目立たないように、
こそっと端の方に座るわけですが、
まぁ、逃げ切れるわけもなく。

「歌って!」と言われるのも、
(当時の)電話帳のようなカタログから曲を探すのも、
「歌える曲がなくって…」と言い訳をするのも、憂鬱なら、

「じゃ、知ってる洋楽歌います!」と歌いだせば、
まわりが騒然となって、
「この人の後は歌いにくいなぁ〜」なんて言われるのも、
なんだか居心地が悪い。
とはいえ、テキトーに歌うくらいなら、歌わない方がマシなわけで…。

そんなこんなで、
よほどメンツが大好きとか、
ミュージシャンオンリーのようなレアな機会でもない限り、
カラオケは回避して生きてきたわけです。

しか〜し。

来春発売の新刊や、
先月スタートしたサブスクの準備をするうちに、
いわゆる最新ヒット曲みたいのを、
それはそれはいっぱい覚えちゃいまして。

これまで、レッスンで教えたアーティストの曲くらいしか歌えなかったのに、
テレビやスーパーでちらりとBGMで流れる曲が、
「あ、これ、あの曲だ!」って、わかるんですわ〜。

人生初の体験です。
今さらですが、
どんだけ邦楽聞かないで生きて来たのか笑えるくらいです。

でね、先日ついにiPhoneに、
カラオケアプリなるものをいれましてん。

いや、さすがに一人でカラオケに行く勇気はまだ出ないので、
挑戦してみたわけですが。

かなりよくできていてびっくり。

iPhoneにSHUREのMV51をつなげて、
イアモニで聞きながら歌うという、
まぁまぁやる気満々なセッティングで歌っているせいもあって、
かなりバッチリ、いい感じで歌えます。

SHUREはマイクスタンドに、
iPhoneは三脚にセットすると、
姿勢をしっかり保って練習できるし、

まぁ、機械ごときに、
「もっとしっかり声量を保って!」とか、
「感情をしっかり込めて歌えていますね。」
なんて言われると、イラッとはしますが、

採点は真摯に受けとめ、
よっしゃもう一回!となるのもなかなかよろしい。

ただね。カラオケは上達しますが、
これだけで練習してもライブや人前で歌う練習にはやっぱりならないし、
マイクに頼る癖もつきがちなので、
練習ツールとしては
諸刃の剣でもあるなと、思ったりはしています。

なんし、ねぇ、みなさん、カラオケって、楽しいですね。

え?今さら何言ってんのって?

わかります。わかります。わかります。

すっごい今さらで、我ながら笑える。
っていうか、こんなこと言ってる自分に笑える。

ずいぶん、片っ端からやってきましたが、
まだまだ世の中には、
未体験ゾーンばっかりなのって、嬉しくないですか?

しばらく、在宅カラオケ、楽しんでみま〜す。

■写真は、我が家のカラオケセット。やる気満々😆

 

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