大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「持っているもの」に焦点を当てる。

      2015/12/20

自分の嫌いなところ、ダメなところを並べはじめたら、
誰だって、たくさん出てきます。

今まで私が出会った、どう見ても完璧にしか見えないような、
アーティストさん、女優さんたちも、
びっくりするようなコンプレックスが、山のようにありました。

人前で歌うのが、実は怖い。
脚が太いから、スカートがはけない。
手汗がひどくて、握手ができない。
彼氏ができない。
怠惰な性格で、制作が進まない。
自分は絶対ブサイクだ。
スタッフに大切にされていない。
地方出身だから訛りがある。
酒癖が悪いと言われる。。。etc.etc.

「え?そんなこと気にしてるの?」もあれば、
「あなたみたいな人がまさか、そんなぁ・・・」という悩みもありました。

そんな彼女たち、彼らの悩みを聞くたびに、
「あぁ、人間って結局、足りないものを数え上げたらきりがないんだなぁ」
と思ったものです。

かくいう私も、長年にわたり、コンプレックスのデパートを自負していたくらい、
あそこも、ここも、こんなところも、
嫌い嫌い嫌い嫌い・・・

そんなとき、新聞のコラムで、
パラリンピックの金メダリスト、成田真由美さんの言葉を読みました。

「私は失ったものを数えるのではなく、得たものを数えていく」

なんだか、すぅっと、何かがカラダから抜けていくような気がしたものです。
「持っていないものを数えるのではなく、持っているものを数える」

世界有数の大富豪のひとり、ビル・ゲイツだって、
持っていないものの方が多いはず。

何に焦点を当てるかで、人生は全く意味が違ったものになります。

今、自分が持っているものは、きっと誰かからのギフト。

持っているものを認めること。
それらに感謝すること。

そんな当たり前のことができて、はじめて、前進できるのかもしれません。

21688649_s

 - Life

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

自分自身のマスターは、 どんなときだって、自分なんだ。

3月は「終わりの季節」。 学生時代に別れを告げ、 社会に出て行くことに不安を感じ …

死ぬかと思うくらい馬鹿なこと、いくつやるか。

MTL12でお世話になったシンフォニーサロン(昨年9月閉館)のHPに、 私のイン …

「へたくそな自分」を楽しむ

一昔前までは、 『NHKのど自慢』に登場するような、 歌好きのひとたちって、 も …

雑草には雑草の生き方があるんでござんす。

芸歴30周年、40周年なんてお祝いをしている人たちが周囲に増えてきて、 ふと自分 …

寝かしても、修正しても、ダメなアイディアはダメである。

ブログの更新が滞っている時は、 たいがい、Upしようとした記事を途中でボツにして …

起きて見る夢 vs. 寝て見る夢

常日頃、道に迷う若者たちに問いかけていること。 「ぜんぶ可能だったら、なにがした …

その瞬間、ちゃんと声出してますか?

一昨年の夏。満員電車の車内でのこと。 入口付近に、憔悴したようすのお年寄りが立っ …

ことばに体温を宿す

「じゃ、とりあえずバランスチェック兼ねて、一度つるっととお願いします。 単独は1 …

『想い』が数字をつくるのだ。

「みなさんはどんな規模のビジネスを立ち上げたいんですか? ビジネスモデルをちゃん …

「夢喰って生きられないぞ」

大学3年だったか、それとも4年生だったか。 アルバイトをしていた東京タワーのおみ …