大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

絶対上達する究極の練習方法

      2016/10/27

「楽器を上達したいなら、録音するのがmust」ということは、
こちらでもずいぶん書いてきました。

一発録りでもなんでも、
客観的に自分の演奏を聴くだけで上達するのは間違いないのですが、

今日はバージョンUP版のご紹介。

名付けて、

『自分の「完璧」を更新する 〜マニアック・レコトレ〜』

お、なかなかなタイトル?

これは私が駆け出し時代にやっていた方法で、
この経験のおかげで実際、劇的に上達しました。

ただし、ある程度の準備と、かなりな覚悟がいるトレーニングなので、
歌や楽器を真剣にやりたい人向け。
音大生にも、専門学校生にも、このトレーニング法をずいぶん紹介してきたけれど、
ハッキリ言って、ちゃんとやったと思われる子は、極極一握り。
その分、ちゃんとやれば確実に差がつけられます。
用意するのは、マルチトラックレコーディングの環境。

今は、GarageBandなどのアプリもありますし、
手頃なマルチトラックレコーダーも多数で回っています。
その気になれば、簡単に手に入る環境です。

それと、自分のレパートリーのカラオケ。
これはオリジナルでも、カバーでもかまいません。

マルチトラックレコーダーに、このカラオケを取り込んだら準備完了。

まずは、1トラックずつ、歌や演奏をレコーディングしていきます。

録音したら、地獄聴きして、いいところ、悪いところをチェックします。

悪いところに気をつけながら、2ndトラックをレコーディング。
時には、悪いところだけパンチインしてもいいでしょう。

終了したら、いいところだけを切り貼りすると、「悪くない」トラックが完成します。

次に、この「悪くないトラック」をお手本に練習します。
つまり、パンチイン、パンチアウトなし、切り貼りなしで、
最初から最後まで「悪くなく」歌えるようにするのです。

歌えるようになったところで、再度レコーディング。
そして、そのトラックを地獄聴き。

さらに、いいところだけを残して、
イマイチな箇所を別トラックにどんどん録り直します。

それらを切り貼りすれば、「さらに悪くないトラック」ができあがり。

それをお手本に練習。
そして、レコーディング。

そして、その「さらに悪くないトラック」を地獄聴き。。。。

そうして、限りなく、「今の自分にできる最高はこれ」に近いトラックを
完成させていくのです。

ね?マニアックでしょ?
うまくなりそうでしょ?

嘘かホントか、大昔に聞いた、
ホイットニー・ヒューストンのデビューアルバムのレコーディングの時の話。

まだ若く、歌い方の定まらないホイットニーに、担当プロデューサーが、
ワンフレーズずつ歌い方を教えたといいます。
そうして、プリプロで、ワンフレーズずつ、時間をかけて、
何度も録り直したものを切り貼りし、
完成したトラックを、ホイットニーに持ち帰らせて練習させた。
結果、ホイットニーは劇的に上達し、
本番のレコーディングでは、歌の切り貼りは一切行わなかった。。と言うもの。

ただの噂かも知れませんが、納得の内容です。

いかがですか〜?
マニアック・レコトレで、自分の「完璧」をどんどん更新して、
まわりと大きく差をつけてみませんか〜?

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