上達のキーワードは「イメージ力」
歌は、誰かに教われば上達するというものではありません。
もし、有能なトレーナーにつけば100%上達するというのなら、
世界中は超絶技巧の歌手であふれてしまうでしょう。
じゃ、なにが必要か?
ずばり言います。
イメージ力なんです。
こんな風に歌いたい。
こんな声が出したい。
こんなイメージを表現したい。
明確なイメージが持てないままトレーニングをするのは、
ゴールを決めずに山道を歩き出すようなもの。
だから、トレーナーの言いなりになる。
周りの雑音に惑わされる。
結局どこに行き着きたいのかわからない、
不毛な努力で時間を無駄にすることになります。
できるだけ明確に。
細部に至るまでハッキリとした歌のイメージを描くこと。
そのイメージに沿うように、自分のカラダを動かしていくのです。
それがトレーニングです。
誰かの歌に憧れるなら、表面だけではなく、
その声やニュアンスやパフォーマンス、グルーブのイメージが
自分の脳に刻み込まれるまで、徹底的に聴くべきです。
そして、そのイメージに沿うように自分を鍛えてゆくのです。
そうやって、できれば1人だけじゃなく、
たくさんの人の歌を研究したいですね。
オリジナリティは、イメージ通りの声が出せるようになったときに、
初めて100%発揮されるものです。
ただのへたくそと、
オリジナリティを勘違いするのはそろそろやめてもいい頃ですね。
一流の棒高跳びの選手は、カラダを鍛えるのと同じだけの時間を、自分がふわりとバーを飛び超えるイメージを描くことに費やすと言われています。
棒高跳び・荻田大樹インタビュー / 困難を『飛躍』につなげたトレーニングの裏側
関連記事
-
「話すためのボイトレって、何するんですか?」
「話すためのボイトレって、一体何するんですか?」 一般向けのボイトレセミナーや講 …
-
「妥協点」と「落としどころ」は決定的に違う
複数の人とクリエイティブな作業をしていると、 必ず、意見が分かれるときがあります …
-
「点ではなく面で考える」
最近、心密かに想いを寄せている佐藤オオキさん。 昨年、オオキさんが出演していた …
-
トレーニングの最大の難関は「はじめる」
どんなトレーニングでも、続ければ必ず結果が出ます。 それがトレーニングの本質とい …
-
結果を出すことの意味
音楽の仕事をはじめて、徹底的にたたき込まれたのは、 「この業界、努力賞はないから …
-
「これが正しい」は自分で選び取る
アーティストや学生たちと接していると、 「何が正しいのかわからなくなってしまいま …
-
「歌う環境」をつくる。
5年ほど前、某レコード会社のディレクターさんに連れられて、 女性R&Bシ …
-
集中を阻むのは「準備の悪さ」
集中力を瞬時に発揮するためには、何らかのスイッチが必要です。 記録を競うスポーツ …
-
「やる気」を引き出す3つの方法
まれに、「やる気のない生徒にボイトレをする」という、 謎の事態に遭遇することがあ …
-
「自分の声は変えられますか?」
「自分の声は変えられますか?」 異業種交流会のような場で、 名刺を出して、私の仕 …
- PREV
- 「知は力」・・・発声の科学を学ぶ意味
- NEXT
- 自分のチェック機構を磨け!