大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

上達のキーワードは「イメージ力」

   

歌は、誰かに教われば上達するというものではありません。

もし、有能なトレーナーにつけば100%上達するというのなら、
世界中は超絶技巧の歌手であふれてしまうでしょう。

じゃ、なにが必要か?

ずばり言います。

イメージ力なんです。

こんな風に歌いたい。
こんな声が出したい。
こんなイメージを表現したい。

明確なイメージが持てないままトレーニングをするのは、
ゴールを決めずに山道を歩き出すようなもの。

だから、トレーナーの言いなりになる。
周りの雑音に惑わされる。
結局どこに行き着きたいのかわからない、
不毛な努力で時間を無駄にすることになります。

できるだけ明確に。
細部に至るまでハッキリとした歌のイメージを描くこと。

そのイメージに沿うように、自分のカラダを動かしていくのです。
それがトレーニングです。

誰かの歌に憧れるなら、表面だけではなく、
その声やニュアンスやパフォーマンス、グルーブのイメージが
自分の脳に刻み込まれるまで、徹底的に聴くべきです。

そして、そのイメージに沿うように自分を鍛えてゆくのです。

そうやって、できれば1人だけじゃなく、
たくさんの人の歌を研究したいですね。

オリジナリティは、イメージ通りの声が出せるようになったときに、
初めて100%発揮されるものです。

ただのへたくそと、
オリジナリティを勘違いするのはそろそろやめてもいい頃ですね。

8448852_s

 

 

 

 

一流の棒高跳びの選手は、カラダを鍛えるのと同じだけの時間を、自分がふわりとバーを飛び超えるイメージを描くことに費やすと言われています。

棒高跳び・荻田大樹インタビュー / 困難を『飛躍』につなげたトレーニングの裏側

 - 未分類

  関連記事

no image
「歌う環境」をつくる。

5年ほど前、某レコード会社のディレクターさんに連れられて、 女性R&Bシ …

no image
“I know what I’m doing”

「今の、どうでした?できてませんでした?」 そんな質問を繰り返す子に限って、レッ …

「ミュージシャン」という人生を生きる

先日マーリンズに入団が決まったイチロー選手が、 「現役最年長の野手として 開幕を …

no image
「からだレベル」でグルーブを感じる

8ビートは4分の4拍子の8分音符が8つで、16ビートはその倍で・・・ アクセント …

no image
好きになれないなら、理解しようと努める

「そんな、しょーもない曲ばかり聴いているから、歌がうまくならないんだ!」 ある先 …

no image
安定したパフォーマンスのカギは「微調整」 

「自分、毎日同じようにストレッチして、声出しするんすけど、 なっかなか思ったよう …

肉体は変化する

ずいぶん前のことになります。 クラプトンのコンサートのチケットがあるからと、 友 …

no image
本気でぶつかりあう。

一所懸命やっている子には、一所懸命教えたくなる。 めいっぱいがんばっている子は、 …

no image
プロフェッショナルには「覚悟」がある

高校時代から、たくさんの音楽仲間にめぐまれました。 みんな音楽が大好きで、 寝て …

no image
夢のチカラ

「こんなことができたらいいな。」 「こんな風になれたらいいな。。」 毎日のように …