大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「会いたい」というエネルギー

   

卒業式で「じゃ、またね」と別れて、
それきり一度も会っていない友達、何人くらいいますか?

 

毎日、学校で、なんの積極的な努力をしなくても、
顔を合わせることが自然であった同い年の仲間たち。

 

しかし、ひとたび、学校という「場」を離れると、
連絡を取ったり、スケジュールを合わせたり、待ち合わせをしたり・・・

ただ「顔をあわせる」、「おしゃべりをする」ということが、
どれほどエネルギーのいることなのか、はじめて気づきます。

 

そうしたエネルギーをつかうことと、
その「誰か」と会うことによって自分が得られる「何か」を天秤にかけ、
会うことで得られるバランスが勝ったときに、
人は、その「誰か」と積極的に会う機会をつくるものです。

 

「何か」はいわゆる物質的な「メリット」とは限りません。

一緒にいることで、幸せな気分になったり、
おしゃべりしてスッキリしたり、
なんだか元気をもらったり。。。

それらも充分、相手からもらう「何か」です。

 

 

「またね」と言ったきり会えない「誰か」は、
自分にそんな「何か」を見出していないのかもしれないし、

自分自身が、その「誰か」に「何か」を見出せないのかもしれない。

 

人間関係は、広い意味で、Give and Take です。

 

 

そうやって、10年、20年経って、一度も会っていない誰かを思うほどに、

ずっとずっと、会い続けてくれる友たちや、

たった今、そばにいて、
自分に会うための努力をし続けてくれる人たちに、
心からの感謝の念を抱きます。

 

人生でどれだけの多くの人たちと出会っても、
大切にできる人数は限られています。

友と呼べる人の数は、おそらくそう簡単には増えないでしょう。

 

ブログを通じて、私の文章を読んでくれるみなさんも同じです。

これだけの情報があふれている世の中で、
毎日のように私のブログにアクセスし、
文章を読む時間をつくってくれ、
そして「いいね」をクリックしてくれる。

ときには、コメントまで残してくれる。

 

こんなにありがたいことはありません。

 

こんな私や、
私が書き綴る世界のために、
エネルギーをつかってくれる人たちが、
これほどたくさんいることは、本当に心の支えです。

そんな人たちに、少しでも、たくさんの「何か」を
与えられる存在でいたいと、心から思うのです。

いつもありがとう。

 

6857933_s

 

 - Life

Comment

  1. yuki より:

    漂流中に偶然この記事に流れ着きました。

    10年20年たっても趣味のような舞台に足を運び、こちらからも運ぶ……そんな友人がひとりいることが改めてとてもありがたいことだと思い不覚にもうるっときました。

    他の記事も少しずつ読ませていただきます。

  2. otsukimisumi より:

    >yukiさん
    ありがとうございます。
    こうしたコメントをいただくこと、とても嬉しく思います。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

本気で目立ちたかったら「本質を磨く」。これしかない。

Clubhouseだの、Zoomだの、インスタだの・・・ やっと新たな名前とコン …

は?この手がなにか?

昔からよく、「手」のことをいじられます。 フリーター時代、バイト先の店長に、「歯 …

ステレオタイプ!!

買い物先でショップの店員さんに話しかけられることが苦手です。 理由はいろいろある …

バンドマンって、大変なんだ。

はじめて「フライヤー」ということばを聞いたのは、ニューヨークで初ライブをやったと …

「中毒」か?「夢中」か?

先日、アルコールやドラッグ、セックスなどの中毒患者のためのリハビリテーション施設 …

居心地のいい場所では一生学べないことをアウェイは一瞬で教えてくれる

「一般の人向けの本を出版したいんなら、 一般向けセミナーくらいやらなくちゃダメで …

世界はあきれるほど狭い

むか〜し、 と書きたくなるくらい、遠い昔のこと。 カナダでデビューしないかと持ち …

他の誰かにとっては、 「なんぼのもんじゃい」の人生かもしれない

またひとつ、自分にとっての大きな挑戦が終わり、 静かな気持ちで休日を過ごしていま …

この歌、どうして知らないの?

MTL定番の、 (そして、私自身が「ドS」と認定されるきっかけのひとつとなった) …

時間の密度を高める集中のコツとツボ

作品をつくりあげるとき、 制作現場で、 そして、トレーニング、練習、リハーサルで …