「適正」って、「恋すること」なんだ。
「私は、ロックが好きなんですけど、
歌の先生に、キミにはそういう音楽は向いてないと言われたんです」
この「向いてない問題」。
ロックやポップスに限らず、
もちろん、ヴォーカルに限らず、
(いや、音楽に限らずですが)
非常によく語られるお話しです。
こんな話を聞くと、まずする質問は次の3つ。
- で?キミはどのくらいロックが好きなの?
- なにが根拠で「ロックはダメ」なの?
- その先生に勧められた音楽を、キミはホントに好きなの?
まず、ハッキリ言っておきたいのは、
「向いている」「向いていない」は他人が決めることではないということ。
自分が人生かけて追いかける「音楽」。
どんな音楽をやるかを、赤の他人に決めさせるなんて、
政略結婚みたいなものです。
まれに、そんな政略結婚から愛が生まれる場合もありますから、
全否定はしません。
しかし、音楽へのパッションは、必ず自分を正しい方向に導いてくれます。
出会うべきものなら、必ず出会う。
出会ったら瞬間に、必ずドキドキが起きて、運命だよと教えてくれる。
もしかしたら、私はちょっとナイーヴでおめでたい、
理想論者なのかもしれません。
しかしね。
人は好きなことしか一所懸命できない。
一所懸命できないことでは絶対に成功しない。
何十年生きていても、この信念だけはゆるぎません。
「向いていると言われた」という理由で、
別の音楽の世界に足を突っ込んだって、
朝から晩まで、その音楽と死ぬ思いで向き合っている人に、
かなうわけがないんです。
これは、音楽家なら誰もが知っている事実でしょう。
「でも、自分、野太い声が出せなくて」
「高い声が出なくって」
いやいや。
まずロック=野太い声 or 高い声という、
貧弱な固定概念をさっさと捨てましょう。
今、世界的に有名な日本人のロックアーティストと言えば、
ベビーメタルです。
もしも彼女たちが、
「私ヘビメタ歌いたいんです」と、
貧弱な想像力しか持っていない先生に相談したら、
「キミの声では無理だよね」って言ったのではないか?
「無理」と言われたときこそが、
可能性の扉を切り開くための想像力とくふうが試される時なのですよね。
自分に適正があるかどうかを考えるとき、
最も有効な基準は「夢中になれるか」。
これに尽きます。
夢中になるというのは、時間を忘れることです。
誰に頼まれなくてもやりたくてたまらなくて、
「練習しなくちゃ」とか「がんばらなくちゃ」という、
努力や義務を感じないこと。
そーですねー。
恋しちゃってるときの感じですね。
何時間でも一緒にいたい。
百難乗り越えても会いに行きたい。
理由なんかない。
メリットも、なんならない。
ただ、会いたい。
それが最大の「適正」。
「適正」って、恋することなんですよね。
■いつでも、どこでも、思い立ったときにはじめられるヴォイトレ、MTLのオンライン12。
今日からスタートできるお得なパックも用意しました。
■4月19日(日)4月19日13:00〜 15:00 オンライン無料特別セミナー
『声が変わると人生が変わる!〜自分史上最強の声を引き出す7つのヒント』ご招待!詳しくはこちら。
関連記事
-
-
コツコツ積み重ねる微差が、逆転勝ちを演出する
自分の生まれは選べません。 生まれたときから、才能やルックスや音楽環境に恵まれて …
-
-
「今の自分」を信じられないなら、「未来の自分」を信じる
「音楽学校って、夢をあきらめるためにくるところだって、先輩が言ってました」 &n …
-
-
「あきらめていた夢」を、もう一度追いかけるということ
「音楽は、何才で始めなくちゃいけない」、なんていう制限はありません。 「好き!」 …
-
-
歌は、習っても、習わなくてもいいのだ。
歌だって、楽器だって、誰かに習う必要なんか、もちろんありません。 立派な学校に通 …
-
-
情報じゃない。オーラに感動するんだ。
学生時代から本屋さんが大好きでした。 それは今でも全く変わらなくて、 本屋さんと …
-
-
「自信」に根拠なんか、いらない。
ヴォーカルのプロとしてさまざまなお仕事をしながらも、自分に全然自信が持てなかった …
-
-
うっそくっさいブランディングは、いい加減やめよう。
かつて業界では、 ミュージシャンでも、タレントでも、 デビューさせるにあたり、 …
-
-
練習するのは、全てを忘れるため
「テクニックなんかどうでもいいんですよ、歌は。」 ピッチだ、リズムだ、表現力だと …
-
-
「音楽」という流れをつかむ~Singer’s Tips #15~
一音にこだわる。 1ポーズにこだわる。 歌も踊りも、 重箱の隅をつつき倒すように …
-
-
「初めて」の恐怖を克服する
初めて出かける場所。 初めて会う人。 初めて挑戦すること。 人間は「初めて」にワ …