うっそくっさいブランディングは、いい加減やめよう。
かつて業界では、
ミュージシャンでも、タレントでも、
デビューさせるにあたり、
とりあえず名前を覚えてもらうために、
音楽性や歌詞、曲名はもちろんのこと、
タイアップや出演番組、
ネーミングやビジュアルにいたるまで、
その道のプロといわれる人が集まって、
いわゆる「イメージ戦略」というのを展開していました。
今風に言うと「ブランディング」ですね。
わかりやすくて、
覚えやすくて、
目立って・・・
そんなんで、あの手この手、
お決まりのアイドル・ファッションに身を包んで、
台本通りのMCをして、
私生活までコントロールされて・・・
というわかりやすい昭和のアイドルから、
奇抜なメイクやファッションに身を包んで、
エキセントリックなキャラを演じていた、
ビジュアル系の走りのような人や、
写真を撮られるときはけして笑わない、
ワンレンで(昭和〜)
アンニュイなおねえさまキャラを気取っていた人、
隣の●●ちゃん系の、
どこにでもいそうな、女の子を演じていた人・・・
かつての有名人(今も現役の方もたくさんいるけれど)は、
ほんっとうにわかりやすかったと、
今さらながら関心します。
90年代の初頭。
私ももっとわかりやすいことやらなくちゃと、
自分で事務所の社長に企画書を提出して、
近未来TOKYOのディーヴァだったか、
なんだったか、
思い出すのも小っ恥ずかしいキャッチをつくって、
グラムっぽい、シルバーの衣装かなんか着ちゃって、
中途半端なパワーJロックみたいな曲書いて、
不思議なアレンジつけてもらって、
歌っていたことがあります。
プロジェクトとしては、
某コンテストで100万円ゲットしたのが、
最初で最後の華々しい活動で、
すぐに行き詰まりました。
あたり前です。
そのときは懸命でしたが、
結局は取ってつけた虚像。
今思い出しても、
数枚残る写真を見ても、
あら、うっそくっさいと、
顔が赤くなります。
どんなに上手にとりつくろっても、
どんなに上手に自分を騙したつもりでも、
ウソはやっぱりウソ。
そして、人は、ウソはわかるもの。
今、誰もが自分自身のプロデューサーとして、
好きなように自己発信できる時代となりました。
どこにこだわるか、
何を大切にするかは、
ひとそれぞれ、みんな違って。
一昔前のアイドル路線よろしく、
「わかりやすい」「覚えやすい」「目立つ」を
徹底的に追求するのも、
数字にこだわって、
タグやSEOをめっちゃがんばって、
サムネイルを目立たせて、
とにもかくにも、拡散を狙うのも、
徹底的にこだわって、
クオリティを追求するのも、
きっと全部が正解。
でも、だからこそ、
自分自身を裏切らない。
自分自身にウソをつかない。
ウソはやっぱりウソだから。
うっそくっさい匂いは、
絶対の絶対に消し去れない。
そして、人はウソが嫌いなものだから。
どんなことばを発しても、
どんな風に見せかけても、
あー鼻につく、むかむかする、
そんな悪臭を放つ文章を書いていないか、
映像を、写真を、音楽を発信してないか。
どんな稚拙な作品よりも、
ウソを世に出すことだけは、
あってはならないことだよなと、
胸に刻むのです。
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