うさぎか?カメか?観客か?
「よくそこまでやれるね」と言われることが、多々あります。
機材を買い集めて、見よう見まねで作詞作曲からアレンジまで手がけ、
初のオリジナルデモを制作したときも、
英詞のすべての単語に発音記号を振って、
重箱の隅をつつくように完コピを繰り返していたときも、
365日、休まずブログやメルマガを書いていたときも、
100本越えのビデオをひとりで撮影編集したときも、
そして、永遠に続くかと思われる執筆を続けていたときも、、、
「よくもそこまで・・・」と言うことばには、いつだって、
感心や尊敬と同時に、少なからず、「あきれ」や嘲笑があって。
いや、少なくとも、私にはそう感じられて、
なんだか、自分が酷く要領が悪いだっさい人間に思えて、落ち込むのでした。
人間には3種類しかいない。
うさぎさんチーム。
カメさんチーム。
そして、観客のみなさん。
観客の関心をくぎづけにする華麗なるうさぎさんチームと、
レースが終わって、観客が席を立っても、
暗がりをゴールに向かって、1歩、また1歩と地面を歩み続けるカメさんチーム。
レースの最中にお昼寝してくれるお馬鹿なうさぎさんは滅多にいません。
カメさんがいつまでも、いつまでも、1つのレースを終わらせないうちに、
うさぎさんたちは、次のレース、そのまた次のレースへと、どんどんステージを上げている。
くっそぉおお。。。
若かりし頃は、ほんっとうにこんな不器用でのろまな自分が嫌だったわけだけど、
いや、ちょっと待て。
カメさんは1歩がノロいけど、ずっとずっと歩み続ける。
息が長〜い。ついでに寿命も長い。
うさぎさんは風のように駆け抜けて、あっという間に疲れちゃう。
寿命だって短い。
相対的に持っている時間は、結局一緒なんである。
うさぎか、カメか。
これは優劣じゃないね。違いなんだね。
地面を舐めるように進むものにしか見えない景色はある。
カッコ悪くても、それでいいのだ。
今日も匍匐前進。
■メルマガ『声出していこうっ!』。ブログから、さらに1歩進んだお話をしています。ご登録いただいた方全員に、『朝から気持ちい声を出すためのモーニングルーティン10』をプレゼント。ご購読はこちらから。
■FBの大槻水澄(MISUMI)著者ページにて、歌が大好きなあなたのためのスペシャルコンテンツを毎日アップしています。FBに登録していない方もごらんいただけます。
関連記事
-
-
あたりまえ過ぎて、今さら言えない10のこと
あまりにも、あたりまえのことすぎて、 最早、口にすることさえはばかられるようなこ …
-
-
「風邪は引かないことにしています」
長年アニメのディレクターとしてお仕事をしている姉が、 高校生の頃、父の学生時代の …
-
-
「できない」と言える「自信」を育てる。
レコーディングのお仕事に 呼んでもらうようになったばかりの駆け出しの頃。 スタジ …
-
-
もたもた迷っている暇はない!
「もっと歌詞の意味を考えて歌って!」 そんな風に言われたことのある人は、たくさん …
-
-
何ごとにも終わりはくる。絶対の絶対に、くる。
好きなことしかやりたくない。 こうと決めたら即断即決即行。 私自身は、いわゆる「 …
-
-
本当に大切なことは現場が教えてくれるんだ。
某映画のバンド演奏のシーンの撮影に立ち合ったことがあります。 役回りは、出演者の …
-
-
「声が届かないって、こんなに自己肯定感を下げるものなんだ」。
何年か前のこと、 風邪をこじらせて、声がカッスカスになってしまいました。 よほど …
-
-
コツコツ積み重ねる微差が、逆転勝ちを演出する
自分の生まれは選べません。 生まれたときから、才能やルックスや音楽環境に恵まれて …
-
-
ティーンエイジャーという名の憂鬱
プライベートレッスンでは、事務所さんやレコード会社さんから、活躍中のアーティスト …
-
-
群れない
まわりにいる人を見ると、その人のことが分かると言います。 同じような空気感の、 …
- PREV
- 「なめたらあかんぜよ」
- NEXT
- 「あぁ、それ、年だよねー」