大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「なめたらあかんぜよ」

   

先日、勢いでiPhoneを10から15にしたおかげで、今までiPhoneを繋げるためにつかっていたケーブルやコネクタの類が一気に使えなくなって、とんでもなく不便な思いをしています。

昨日も、夜に行う予定だった配信ライブで急遽、スマホと愛用しているSHUREのMOTIVというマイクを繋げたくて、”MicroB→USB-C”というケーブルを探しに、PCデポヘ。

いやーー、日頃密林の住民の私、
ケーブルだのコネクタだのを実店舗で探したのって、久しぶりなわけですが、
砂漠で砂金を探すくらい大変です。

似たようなのがいっぱいあって、みんな微妙に違う。
お値段もネット価格より大分お高い上に、なんと言っても、2時間後にはつかいたいわけだから、失敗は許されない。

そこで、素直に、店員の若者に聞くことにしたわけです。

「すみません、iPhoneとマイクを繋げたくて、MicroB→USB-Cというケーブルが欲しいんだけど、見当たらないみたいなので、この、MicroBとUSBのメスというコネクタを経由して、USB→USB-CのケーブルをつかってiPhoneに繋げるので大丈夫かしら?」

この時点で若者の顔に思いっきり「?」が浮かぶ。

「いや、このコネクタでは、スマホにはつかないです。」

「あ、いや、スマホはUSB-Cで、USB→USB-Cのケーブルはあるから・・・」

「マイクがMicroBなんですか?それはずいぶん特殊ですね。
そもそも、MicroBのメスなんていうケーブル、見たことないんですけど、それって、マイクについてきたんですか?」

「いやいや、オスで繋げるから、普通のMicroBとUSBのケーブルで…」

「いやいやいやいや、お客様。いいですか?
メスというのはですね。。。で、オスというのはですね・・・」

と、ケーブルのメスオスのレクチャーをはじめる若者。
心の中で、(あのさぁ、こちとら、半世紀くらい前からメスオスの違いくらいわかっとるっちゅうねんっ!)と苦笑しつつ、「いや。このマイクにつけるんですよ」と、マイクの写真を見せたおかげで、やっと納得する若者。

若者はそこから、PCの前に向かい、バタバタとあれこれ調べ、
お店の中をうろつき、最後に、私にこう言ったのでした。

「お客様、Amazonって、わかります?つかったことあります?
Amazonで調べると、すぐ見つかるし、お値段も安いですよ」

対応が丁寧だったので、「はいはい、ありがとうございました」とお店を出てきたのだけど、歩きながら、おいおい、年寄り扱いするなよっ!とムカついてきたのでした。

いや、実はつい一昨日も、
酉の市でいただいてきた熊手を、ジェフ夫さんが納めようと、袋から出したら、
縁起でもない、パラリと稲穂がはずれかけてしまいまして。
これは、交換していただかなくちゃと、大鳥神社の熊手授与所へ。

「すみません。これ、袋から出したらパラパラと形が崩れてしまったんですけど」

この時点で、すっと取り替えていただけることを疑いもしながった私。
しかし、若い男女の巫さんたち、黙ってじっと顔を見合わせています。
え?そんな非常識なこと言ってる?

すると、男巫さんが言うのです。
「バラバラになるものなんですよ。これ」
「は?いや、あの、毎年買っているので」
「袋から出したら、取れるようにできてるんです」

どんなクレーマーと思われたのか。
そもそも、神様のことでクレームなんかするわけないじゃない。。
もしかして、黙って新しいの買えばよかったのか。
じゃあ、買ったばかりの壊れた熊手はどうしたらいいのか。。。
困惑する私を前に,仕方ないなぁという顔で携帯でどこかに電話をする若者。

「上のものを呼びますのでしばらくお待ちください。」

次々とお客さんのおとずれる授与所のとなりで立たされたまま放置されること5分ほど。
何度、「もういいです」と言おうとしたかわからないんだけど、
そのまま立ち去ったのでは、こちらに向かっているという「上の方」にも申し訳ない。。

というわけで、神殿に向かって、「お騒がせしてすみません」と頭を下げて、待つこといましばし。

神主さんらしい方が出てらして要件を聞くなり、そんな当たり前のことを、という調子で、
「替えてさしあげてください」といってくださる。
さっきまで、クレーマーのおばちゃん的に私に冷たくしていた男巫さんの態度がいきなり優しく、穏やかになって、
「大変お待たせいたしました。こちらをお持ちください」と新しい熊手をいただいて帰ってきました。

もちろん、(こちとら、君がおしめしている時から、熊手飾ってるのよ)
なんて、下品なことは、口にしませんでしたよ。
神様の前ですから。

しかしさぁ。。。
若者に、「わかってないおばちゃん」扱いされる年になったのか。
それとも、「わかってない若者」(なめてる若者)が増殖してきたのか。

明日からはいついかなる時も、バリギメで、
バキッとオーラ出して歩いてやる!と心に誓った2日間でした。

やれやれ。

■メルマガ『声出していこうっ!』。ブログから、さらに1歩進んだお話をしています。ご登録いただいた方全員に、『朝から気持ちい声を出すためのモーニングルーティン10』をプレゼント。ご購読はこちらから。

■FBの著者ページにて、歌が大好きなあなたのためのスペシャルコンテンツを毎日アップしています。FBに登録していない方もごらんいただけます。

 - B面Blog, Life, MISUMIの日記&メッセージ

  関連記事

「変わってる」って、なんだよ?

自分は何に、どんなことに、反応する体質なのか。 自分のアンテナは何に反応し、どん …

「目立ってなんぼ」はさっさと卒業する

テレビは基本洋画一辺倒で、時折ニュースをつけるくらいです。 ワイドショーもドラマ …

「オーツキ社長、いらっしゃいますか?」

「オーツキ社長、いらっしゃいますか?」 最近、こんな電話が会社の方によくかかって …

出会いの数だけ別れがある

音楽はたくさんの出会いをくれます。 音楽はひとりではできないから。 一緒に演奏す …

肉体は変化する

ずいぶん前のことになります。 クラプトンのコンサートのチケットがあるからと、 友 …

「答え」が違うのじゃない。そもそも「質問」が違うのだ。

ずいぶん昔のお話です。   雑誌の付録に「美人顔の条件」というようなの …

カツゼツッ!!!

普段はほとんど興味のないテレビですが、 さすがに昨今、 ニュースくらいは見ておか …

「長期記憶のゴールデンタイム」にあなたは何を記憶しますか?

「受験生といえば、まずは『でる単』」。 『でる単』、すなわち、『試験に出る英単語 …

「ちゃんと鳴らす」ってなんだ?

こどもの頃、 メトロノームを力まかせに揺り動かして、 振り子のスピードを速くさせ …

好きであることは自分への責任であり、義務である。

「好きなことをみつけて、それを一所懸命やれよ。 好きなことのない人生はつまんねー …