大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

人生の値段、おいくらですか?

   

おとなになってから、自己投資をいくらしたかが、その人の価値を決める。
そんなことばを聞いて、さて、自己投資ってなんだろう?と考え込んだことがあります。

あれこれ調べていくと、学びに使うお金はもちろん、旅や美容、トレーニング、生活必需品以外の買い物まで、自分を成長させるために必要だったと思えるものなら、なんでもカウントしていいらしい。

ふーん。

そんなこといったら、私の友人でジャニーズのおっかけをするのに1000万円つかったという人がいたけれど、それだって立派な自己投資。彼女はその他にも、歯の矯正やエステ機器で300万以上の借金をつくったんだった。
そうした苦い経験から会計を学んで、公認会計士さんになったというから、「何ごとも学び」の好例ですな。

某人気バンドのギターリストは無名時代、ツアー先の関係者と病気になるまで毎晩飲み歩いて、どんどん自分たちの味方をつくったと言ってたっけ。結果、まわりに押し上げられて、彼らのバンドはどんどんメジャーの階段を上ることになって。
そんな飲み代なら、間違いなく自己投資。まぁ、カラダを壊すのは感心しないけど。

旅が好きで、世界各国を旅して、なんとなく写真を撮って投稿しているうちに、本を出版することになったという人もいた。

ポイントは、見栄のために散財しているのでも、まわりに流されてなんとなくやってしまうのでもないこと。
やめられない、がまんできない、という中毒症状によるものでもなく、逃避行動でもない。
能動的に、自ら選び取って、確信を持って、喜んでお金をつかう、というのが大事なようです。

そんな自己投資に使ったお金が、今の自分の値段になる、
なんて書いてる人がいるもんだから、思わず、電卓を出して、自己投資とと思われる金額をテキトーにパタパタ打ってみる。

フリーター時代に通ってた歌の学校、ピアノ教室やジャズダンススタジオ、お稽古に通うのに電車賃節約しようと乗り回していた変速機付き自転車、初めてローンを組んで買いそろえた録音機材、DTM機材、複数のスポーツジム、エステ、英会話教室、歯の矯正、2年間の海外遊学、海外で通った語学学校、ダンススタジオ、ボイトレ、戻って来て通った英語学校、起業塾、簿記の学校、複数の出版ゼミ、さまざまなセミナー、メイクレッスン、整体、世界15ヶ国への旅、巡った美術館、ネイルにまつエク、美容院。山ほどやってきたバンド活動も、失敗を重ねて買い込んできたお洋服も、何百冊もの本も…。そうそう、免許も取ったし、車も買ったな。

だんだん楽しくなって、暴走して、もちろん、値段なんかちゃんと覚えているわけもないから、最後はとんでもない金額になって、「プライスレ〜ス!」で締めくくり。
こらぁ、貯金とかないわけだよね、と軽く反省したりして。

自分の人生を数字で換算するってのも、なかなかどうして面白いものです。

時間がある人はぜひ、やってみて。
意外なことを次々思い出して、実に楽しい時間になりますわよ。

「歌いたい!」を「歌える!」に変える、MTLシンガーズLab.
いよいよ9月スタート!

 - Life, My History, 夢を叶える

  関連記事

大陸横断鉄道の「個室寝台」

生まれてはじめて、 海外をひとりで旅したときのこと。 カナダの大陸横断鉄道、 V …

何ごとにも終わりはくる。絶対の絶対に、くる。

好きなことしかやりたくない。 こうと決めたら即断即決即行。 私自身は、いわゆる「 …

成長痛を抱えて走れ。

今年前半は、 とにかくいろんなことが重なって、 頭の中がパツパツな状態が続いてい …

おとなってのは「なんか」言うもんなんです。

自分がなかなかにナイス・エイジなおとなになって、しみじみ、 おとなってのは「なん …

最後は「自分の声」を聞くのだ。

「MISUMIサンはね、 もっと、自分じゃ恥ずかしくって赤面するくらい、 下世話 …

「真っ白な灰」に、なりますか?

リングの上で真っ白な灰になった、『あしたのジョー』。 命を賭けられるほどのものに …

「好き」を極める。

「好き」にもいろいろあります。 なんとなく好き。 どちらかと言えば好き。 結構好 …

若さのエネルギーなんて、誰だって持ってるし、誰だって失う。

あれは中学1年の頃。 美術の時間になると、 テストの成績の1位〜3位を、 常に争 …

「できない気がしない」自分を信じる。

「できない」「無理だ」と思えたら、人生はどんなに楽だろう。 高校時代から、現在に …

「彼の演奏は完璧だ。だけど、彼の演奏はEmpty(空っぽ)なんだ。」

「この歌手は”お上手”過ぎて、面白くもなんともねーな。」 …