大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

安定させる!~Singer’s Tips#30~

      2021/05/17

高いところに行くと、やたら声が大きくなる。
低いところに来ると、こもってしまう。

よく鳴る、気持ちいい音があるかと思えば、
急にガラッととした声になる。
震え出す。かすれる。

チェンジして裏声になると、
いきなり、声量がガクッと下がる。

「あ段」はいい響きなのに、
「い段」になるとキンキンする、
「う段」はこもるし、
「お段」になるとピッチが下がる、
「え段」は平べったくなる・・・。

人間のカラダという楽器は、実に表情豊か。
そして、とても気まぐれです。
安定しないのです。

そして、残念なことに、
多くのヴォーカリストは、
このことを仕方のないことだとあきらめている。

いや、そんな自分という楽器の不安定さに、
気づいていない人さえいます。

これでは、自由に表現できているとは言えません。

オーバーサイズのギターを抱えたこどもと同じ。
カラダという楽器を扱いきれず、
振り回されている状態です。

まずは、自分の音域の最低音から最高音まで。
同じ音色、同じ音量で、
チェンジの継ぎ目も意識させずに、
母音や子音に左右されずに、
滑らかに歌えるようになることが理想です。

音階練習をする必要はありません。
自分が普段歌うレパートリーを、
歌い出しから、エンディングまで、
すべて、同じ音量、同じ音色で歌いきる練習をするのです。

ただし、こう言うと、
いきなり、しょぼしょぼの声で歌い出す人がいるんですが、
よく鳴る、よく響く、心地よい声で歌うことが大事です。
どんなに低いところも、どんなに高いところも、同じです。

言うほど簡単なことではありません。
まずはワンコーラスでいいので、
時間をかけて、じっくり取り組んでみてください。

驚くほどたくさんの発見があるはずです。

“MTL ヴォイストレーナーズ・メソッド” 開講!
業界トップクラスのメソッドで、圧倒的な結果を出す。ヴォイストレーナーとして活躍されている方はもちろん、ヴォイストレーナーを目指す方、トレーナーという仕事に興味があるという方も。

 - B面Blog, Singer's Tips, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

  関連記事

ヴォーカリストのための「練習の3つのコツ」

プライベートレッスンでも、MTL12でも、そして音大でも、 クライアントやアーテ …

ホンモノか?ニセモノか?

「あいつはホンモノだよ」 「なんか、あの子、ウソくさいのよね」 一般の人たちがど …

「プロになりたい」って一口に言ってもね・・・

少し前、若手売れっ子ドラマーがインタビューで、 「ドラムを始めたときから、歌バン …

目一杯のインプット&勝負をかけてのアウトプット

どんな人にも、 スキルを上げるべく、目一杯インプットしたり、 勝負をかけて、アウ …

自分の「サイズ」に合った声を出す

管楽器ほど、 一目見ただけで音色の想像がつく楽器もないでしょう。 大きさ通り、見 …

苦しさも音楽の一部だから。

歌がうまくなりたい!という強い衝動は、 一体どこから湧いてくるのか? 歌に、音楽 …

一点突破

大変遅ればせながら、新年初回ブログです。 2019年も、『声出していこうっ!』を …

伸び悩む人にする10の質問

「キミ、ホントにうまくならないなぁ。」 今日は、そんな風に言われた時、 または、 …

自己表現のための”自分アバター化作戦”

かつて、ハワイ出身の日系アメリカ人女性シンガーに、 英詞の提供をしたことがありま …

「たった1曲しか歌うチャンスをもらえないとしたら、 なにを歌う?」

「たった1曲しか歌うチャンスをもらえないとしたら、 なにを歌う?」 アーティスト …