大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「声」はエネルギー。

   

キャリアの節目を迎え、
「急に、自分の声が気になるようになって」と、
レッスンやセミナーにやってくる人がたくさんいます。

会議で進行役をまかされるようになった。

重要なプレゼンをまかされるようになった。

部下の研修をすることになった。

これまで勤めていた会社をやめて独立し、
講師業やコンサル業、コーチング業をはじめた。

しばらく専業主婦をしていたが、
会社に復帰することになった。

・・・などなど。

急に人前で話す機会が増えたり、
話すことそのものが、
評価の対象になるポジションについたり、
新しい環境で自分自身をアピールする必要が出てきたり・・・。

そんなときに人は、
自分の「見た目」と同じくらい、
いや、多くの人は「見た目」以上に、
「声」が気になるものです。

業種にもよるでしょうが、
見た目ばかりがキマっていて、声に力がない人より、

多少オーバーウェイトでも、
多少服装がキマっていなくても、

説得力のある、よく通る声で、
はっきりくっきりと、
ことばを届けられる、

魅力的な声と、話し方で、
聞く人の心を動かすことのできる人の方が、
はるかに評価が上がります。

話の内容が重要なのはもちろんのことですが、
そもそも、声や話し方に魅力がなければ、
聞き手の心を最後まで、惹き付け、
話を聞いてもらうことはできません。

どんなにいい曲だって、
歌い手がまずければ、
いい曲と感じられないのと同じです。

人は「声」に心を動かされるんですね。

「声」はエネルギー。
語り手の思考が音のエネルギーに変換されたものです。
このエネルギーが、聞き手の心を揺さぶるのです。

自分の思考のエネルギーを、
いかにロスなく、100%相手に届けられるか。

声に変換する段階で、エネルギーロスが生まれれば、
話し手がストレスを感じます。

届くべき声がとどかなければ、
もしくは、届いているはずの声を受け取れなければ、
聞き手もストレスを感じます。

「声」という存在には、興味を持てなくても、
「エネルギー」と表現すると、
なんか身近に感じる人もいるんじゃないでしょうか?

どっちも見えないものなんですが、
ことばって不思議ですね。

*明日10時発行のメルマガは、【声になんか興味のある人いるんですか?】。
なぜ声に興味のない人と、ある人がいるのか。インサイドストーリーを交えてお届けします。無料登録はこちらから。バックナンバーも読めますので、ぜひ。

 - B面Blog, Life, ビジネスヴォイス, 声のはなし

  関連記事

「君たちには問題意識というものが足りない!」

「君たちには問題意識というものが足りない!」 大学4年の時、ゼミの担当教授が、 …

SNSは「やりたい仕事が舞い込む仕掛け」?

デザイナーのウジトモコさんから、最新刊『SNS X Design 22の法則』を …

世界観を限定するほど、多くの人に刺さる!

先日『THE GUILTY ギルティ』というデンマーク映画を見ました。 あまり詳 …

手っとり早く「オーラ」を身にまとう方法

「なんか、あの人、オーラがある。」 「あの人がいると、そこだけが輝いて見える。」 …

あなたの楽器、いい音出てますか?

楽器は音色がすべて。 ピッチを正確にとか、 リズムをしっかりとか、 ダイナミクス …

怖いなら、目をつぶって飛び込め。

人生のターニングポイントとも言うべき、 大きな出逢いや変化には、 ドキドキやワク …

バンド仲間という特殊な人間関係。

バンド仲間というのは実に特殊な人間関係です。 ステージに立ってパフォーマンスをす …

年齢は、ただの数字。

先日、外国人の友人家族とスキー旅行に出かけた時のこと。 「ホテルに泊まるのに、な …

何ごとにも終わりはくる。絶対の絶対に、くる。

好きなことしかやりたくない。 こうと決めたら即断即決即行。 私自身は、いわゆる「 …

「好きなことを仕事にできていいですね。」

「好きなことを仕事にできていいですね。」     はじめてこ …