「君たちには問題意識というものが足りない!」
「君たちには問題意識というものが足りない!」
大学4年の時、ゼミの担当教授が、
ことあるごとに、私たちにそう言っていました。
ぶっちゃけ、問題意識ということばは、
当時の私には、ふわっとしか理解できず、
まぁ、「もっと真面目に物事を考えろって意味よね、きっと。」
くらいに思っていたものでしたが、
それでも、その教授が好きだったからか、
その当時の私に、そのふわっとした理解しかできないことばが、
なぜかしっくり来たからか、
今でも、くっきりと、
ホワイトボードに書かれたその文字と、
その時の教授の顔が目に浮かびます。
さて。
問題意識って、平たく言うと、
解決したいな、変えたいな、知りたいなって思うことを、そのまま放置せず、
解決できるまで、変えられるまで、きちんと知ることができるまで、
徹底的に追いかけること。
まぁ、あんまり、
「痩せたいな」とか、「この漢字、どう書くのかな?」
なんて、簡単に解決できる問題には使わなくって、
「痩せるということは人間の健康にとってどんな影響を及ぼすんだろう」とか、
「日本人にとって、漢字とはどのような意味を持つんだろう」みたいな、
そう簡単に答えの出ないことや、
本質的なことについて思いを馳せるときにつかうことばですね。
それで、私の場合、
たとえば、声やヴォイトレに関することは、
最早、問題意識を越えて、オブセッション・レベルになっているわけですが、
イヌが吠えているのに出くわすと、
横隔膜の動きやら、顎の開き具合やらが目に飛び込んでくる。
その声の高さやら、強弱の具合と、
イヌの感情の動きのシンクロ具合が気になったりする。
バスに乗っていると、
運転手さんの特殊なイントネーションが気になる。
他の運転手さんと比べたり、他のバス会社のイントネーションと比べたりする。
口元のマイクの距離を観察したりもする。
街で外国人に出会うと、
ことばそのものの発音やアクセントと同じくらい、
発声や声のサウンドが耳に入ってきて、思わずマネをする。
頭の形やカラダの骨格と、声の関係性を観察したりする。
そんな風に、拾おうと思わなくても、
直接関係のない事柄からでも、
ば〜っと情報が集まってくるわけです。
まぁ、私の場合は、ずいぶん変態ですが。。。
結局、自分の正解って、
最終的に、自分自身で見つけ出すしかないのではないか?
誰でも知っている情報や、
人からもらう情報を鵜呑みにするのではなく、
解決したいこと、変えたいことにずうっと意識を向けているうちに、
ふと腑に落ちる答えが見つかるのではないか。
なにより大事なことは、
出会った疑問を放置しないこと。
解決できないことから逃げないこと。
知りたいという衝動を手放さないこと。
あれからうん十年。
あの日ホワイトボードにかかれた文字は、
私の中でしっかりと生きています。
人は、一生かけて学ぶんですね、タカトリ先生。
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