先生たるもの、いつだって「文句あるかい!?」くらい、気合いを入れて立ち向かわなくてはいけません。
世の中の「先生」と呼ばれる人や「学者」と呼ばれる人たちにも、
やっぱりパワーゲームは存在するようです。
「我が輩の方が早く気づいた。」
「あたくしの方が、たくさん知ってる。」
「小生の方が深い。」
気づいたタイミングや、知識量、その深さに加え、
人間だから避けて通れない、
キャリアや、若さや、ついでに見た目、なんて基準もあって、
さまざまな分野、さまざまなメディアで、
その人気や人望を競い合っています。
ノーベル賞ものの発見をしたり、
世界の誰よりもすぐれた情報収集をしたり、
などというレベルの人たちのことは脇に置いておいて、
「人に教える人」という意味だけで言えば、
やはり、「先生と呼ばれる人の価値」というのは、
1.いかにわかりやすく
2.聞き手が求める、または、聞き手のためになる情報や方法論を
3.聞き手の脳と心にきちんと届けられるか?
これに尽きると思います。
「生徒」となる人にとって、その「先生」が、
どんなにお偉いかとか、
どんな実績をお残しになっているかとか、
どんなに優れた能力をお持ちかとか、
実は二の次、三の次。
彼らにとって重要なのは、
その人が、ちゃんと自分のことを見てくれているか、
自分を理解してくれているか、
自分が求めている方向、
もしくは、本当に自分のことを考えて、
自分のためになる方向へと自分を導いてくれられるか、
そんなこと。
そして、自分がその人を好きになれるか。
その人を尊敬できるか。
そして、その人と心通い合えるかどうか。
そのどれかひとつでもうまくいかなかったら、
「先生」がどんなにすごい人だったとしても、
どんなにいいこと言っていたとしても、
「生徒」にとっては、
「ふぅ〜ん」で、「超〜無理」な存在になってしまう。
「生徒」という人たちは、ものすごく感性がするどくて、
わかったふりしたって、
カッコつけたって、
媚びてないふりしたって、
「あぁ、この人は、あの手ね」とすぐ見抜いてしまう。
だから、素っ裸でぶつかって行かなくてはいけません。
生徒と向き合うときはいつだって真剣勝負。
どう見透かされても、
「文句あるかい!?」くらい、
いつだって気合いを入れて立ち向かわなくてはいけません。
たくさんの、たくさんの「先生」の中から、
私を選んでくれた人、
神様や運命に選ばれて、私のところに来てくれた人のために・・・。
なんだか、そんなことを、めっちゃ考えた休日です。
【第3期mtl-ヴォイス-ヴォーカル-レッスン12 残席1】
詳しくはこちら>>
関連記事
-
-
自分がヘタに聞こえるのは、上達してきた証拠
週1回90分レッスンに通いながら、日々コツコツと自主トレもできる人なら、 およそ …
-
-
やっぱ、最後はエネルギー。
歌の指導をしていく中で、 心がけているのが、 感覚的な説明に終始したり、 精神論 …
-
-
ちゃんと元取れっ!
けして質素なタイプというわけではありませんが、ことコスパに関しては誰より厳しいと …
-
-
「練習」とは「工夫すること」
楽器や歌を習得したい。上達したい。 しかし、実際、何からはじめたら …
-
-
「他者基準」で自分をジャッジしない。
才能あふれる若者たちを教える機会に恵まれています。 レッスンのたびにワクワクした …
-
-
人は、人を「育てる」ことはできない。
レッスンを担当しているシンガーたちが、 ぐんぐん成長していく姿を見るのは、誰だっ …
-
-
「あきらめていた夢」を、もう一度追いかけるということ
「音楽は、何才で始めなくちゃいけない」、なんていう制限はありません。 「好き!」 …
-
-
ビジネスマンのためのヴォイストレーニング
ただのミュージシャンだった私が突如ミッションに目覚め、 起業セミナーや出版セミナ …
-
-
メソッドよりも大切なこと
「なんて凡庸なんだろう。。。」 数年前、それまで長い年月をかけて試行錯誤を繰り返 …
-
-
思い込みと勘違いで他人に意見するのは一種の迷惑行為。
何年か前、知り合いの女性ヴォーカリストに、 「私、衣装は全部ネットで買っているわ …
- PREV
- 胸の痛みを抱きしめて進め
- NEXT
- 「君たちには問題意識というものが足りない!」