『悩めるリーダーの羅針盤』
2019/08/17
美崎栄一郎さんは、本当に優れたリーダーだと常日頃思っています。
私はロッカーなので、お世話になっているからとか、
献本いただいたからとかいう理由で人を持ち上げることは苦手です。
つまり、心の底から思っているわけです。
なぜそう思うかというと、
いわゆる“リーダー”らしくないからです。
偉ぶらない。
かっこつけない。
「俺は忙しい」「俺はすごいんだ」という顔をしない。
むしろ、いつ会っても楽しそうで、
親しみやすい。一緒にいると本当に楽しい。
それでいて、周囲の気持をがっちりつかみ、
美崎さんがなにか事を起こすなら、喜んでお手伝いしますっ!という人が、
日本全国津々浦々、腕まくりをして待っています。
誰だってそんな風になりたい。
いったいどうしたら、あんなスーパーな人になれるんだろう???
その秘密が、この『悩めるリーダーの羅針盤』に書かれていました。
いつものように、するする読める文章の心地よいリズムと、
科学者らしい視点と論理的な展開。
その中に、ちりばめられた「再現性のある」ノウハウの数々。
さすがの1冊です。
人にものを教える仕事というのはリーダーシップを発揮することに他なりません。
そして、ものを教える人間に求められる資質は
この本に書かれているリーダー同様、時代と共に移り変わっていきます。
「それじゃ、社会に出て通用しないぞ」的なお説教は、
今の若者には通用しないのです。
生徒たちに媚びることなく、
しかし、一方的に価値観を押しつけることなく、
適度な距離感を保ちながらゴールに向かってリードしていく力。
今、リーダーのみならず、人にものを教える仕事に就く人に求められるスキル。
ビジネス書をあまり読んだことがないという人も、手にとって損のない本だと思います。
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