「練習」とは「工夫すること」
2016/10/27
楽器や歌を習得したい。上達したい。
しかし、実際、何からはじめたらいいのか。
やっぱり先生につかなくちゃダメなのか。
それとも、まずは自分でがんばるべきなのか。
そもそもクラシックでもないのに、習う意味はあるのか・・・etc.etc…
音楽はあまりにも素晴らしく、
そして、音は目に見えないものだから、
思いが強いほどに、みんな遠い目になってしまいます。
さて、ちょっと乱暴と自覚しつつもハッキリ言えば、
歌だって、楽器だって、
練習さえすれば、絶対に上達します。
どんな練習をしようが、
どんな先生につこうが、
どんな曲を選ぼうが、
練習をして、下手になることはあり得ません。
あらゆるスポーツと同じです。
それなりに時間をつかって、体力をつかって、
繰り返し、繰り返し、ひとつの動作を学習していけば、
その精度は必ず上がりますし、筋力もつきます。
つかってこなかった筋肉が動くようになり、
持久力や瞬発力が身につき、
やがてパフォーマンスに必要なパワーさえついてくる。
あらゆるスポーツと同じなんです。
走りこむほどに遅くなる人も、
球を打ち続けるほどに、打てなくなる人もいません。
絶対に上達します。
ただし、「ある程度までは」です。
ランニングのトレーニングを想像してみてください。
これまでの人生で走ったことのない人が、毎日走ることを日課にしたとします。
最初は全身が重いと感じ、足もすぐに疲れてしまうけれど、
走り込むほどに、どんどんカラダは軽くなり、
走れる距離も伸びていきます。
楽器や歌だって、たとえ我流でとりあえず必死に練習しても、
確実に指は動くようになり、声帯も自由を手に入れていくものです。
しかしです。
こうしたトレーニングも、ある時点にくると、
フォームが悪い、力の流れが悪い、
よくないクセを持っている、
不要な力が入っている、
必要な筋肉が不足している・・・などの理由で、
急に伸び悩んだり、故障に苦しんだり、理想を見失ったりしてしまう。
実は、こうして行き詰まったときこそが、
本当の「練習」のはじまりです。
「練習」とは「工夫すること」。
まずは思いつくままやってみる。
徹底的に、やり倒す。
行き詰まる。
悩む。
工夫する。
修正を加えてやってみる。
徹底的にやり倒す。
行き詰まる・・・
この繰り返しで、
本当の意味で、楽器や歌のことをわかるようになり、
自分なりの正解を感じ取れるようになる。
それこそが、真の意味での練習なのです。
もちろん、今日も、ほんの、ほんの一握りの、
センスのある天才たちのことは、放って置いてください。
彼らは正解を嗅覚でかぎ分ける。
最初から、なんとなくできる。
・・・ふん。・・・です(^^)
そうでもない私たちは、
必死に工夫し、試し、修正を繰り返すのみです。
メソッドやトレーナーの存在意義は、
こうしたトライ&エラーの回数を節約させること。
「正解」のあり方を教わることで、
トライ&エラーの回数や精神的負担が軽減されます。
音楽的な段階へ進むのも早まるでしょう。
もちろん、どれだけ正解を教わっても、
実際に素振りをしたり走り込みをしたりするのは自分自身ですが。
(ただし、トレーナーさん次第では、
時間短縮になるどころか、かえって回り道してしまう場合があることも、
否定できないので、慎重に選ぶことはMUSTです。)
とはいえ、まずは我流でもなんでもいいから、徹底的に練習してみることは、
自分自身を知るためにも、何がやりたいかを明確にするためにも、
必要なことなんですけどね。
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