「欲しい本が見つからなかったら、自分で書け」
「わからないこと、困ったことがあったら本屋に行け。
世の中には、自分と同じことで困ってるヤツが必ずいて、
そんなヤツのために書かれた本というのが、必ずあるもんだ。
で、本屋をどんなに歩いても、
どうしても、自分の困ったことが解決できなかったら、
その時はお前がその本を書け。」
今も私を突き動かす父の教えです。
そんな教えのおかげで、
若い頃から、ことあるごとに書店に出かけました。
さまざまな本に、
たくさんの悩みを解決してもらい、わからないことを教えてもらいました。
しかしです。
どれだけ本屋さんに通っても、
図書館に通っても、
声や歌の悩みだけは、解決しなかったのです。
たくさんの優れた本にも出会いましたし、
たくさんのヒントももらいました。
主にパフォーミングアーツ先進国であるアメリカを中心に、
海外で書かれた本ですが、
知らなかったたくさんのことを教わり、
また、目を開かれたりもしました。
それでも、なお、疑問は消えません。
私が最も不思議に思ったのは、
なぜ、声や歌に関するすべてを網羅した、
もっとシンプルでわかりやすいメソッドやテキストが、
ないのだろうということでした。
呼吸の本。
姿勢の本。
声の本。
解剖学。
動物学。
楽典。
音楽書。
英語の本。
ことばの本。
練習曲集。
メソッド集。。。。
ありとあらゆる本を、片っ端から手に取り、買い集め、
もう売っていないものは図書館で読みあさりました。
内容がすっかすかの、どうでもいいような本から、
反対にぎっちぎちで、専門用語オンパレードの、
とても普通のバンドマンには読みこなせないような本まで・・・
ちぎっては投げ。ちぎっては投げ。。
そうやって、あっちから、こっちから、ちょっとずつ正解を引っ張ってきては、
ジグソーパズルのように、自分のメソッドを組み立てて行きました。
ある程度、絵が見えてきたと思えるまで、
こんなにマニアックな私をして、いったいどれだけの年月がかかったのか。
知識豊富な学者系著者さんたちの本は、
実践的、具体的な、「どうやったらいいの?」というアドバイスに欠け、
歌のプロたちの本は、
メカニズムまで具体的に説明できているものがほとんどなかったり、
特定の音楽ジャンルに偏っていたり・・・
つまり、基礎から実践まで、具体的に、わかりやすく網羅できている本は、
まったくと言っていいほど見つかりませんでした。
「だって音楽は、頭で学ぶものじゃないからね」
そんな声が聞こえて来そうです。
もちろん、
そんなこと、教えていただくまでもなく、よ〜くわかっているつもりです。
けどね。
あたしのような左脳人間が、悩みにぶち当たったとき、
本当に出会いたかったのは、
歌のすべてを体系的に、理路整然と言語で解説してくれる本。
言語で理解できて、はじめて耳やカラダが反応する。
そんな不器用な人間だって、ミュージシャンの中には、
いや、プロフェッショナルの中にだって、いるんです。
そうした本を書くことが、やがて私のミッションになりました。
メソッド化できないことは、こうしてブログに綴ることにしました。
根っからのクリエイター器質が幸いして、
誰にも告げることなく、コツコツと書き続けたメソッドが、
やがて、「Complete」と呼べるようになり、
一部は音大の教科書としてつかってもらえるようになり、
さらに、インストラクター養成コースのテキストの一部になりました。
テキストの内容をきっちり学べば、一生ものの声と歌の基礎が身につく、
シンプルで、楽しくて、わかりやすくて・・・
そんなマジカルなテキストができたら、
どれだけの、歌を志す人たちの時間や若さやお金を節約してあげられるだろう。
私を突き動かしているのは、その想いだけです。
この春『レッスン12』をスタートして、
やっと自分のミッションに、ひとつの完成形が見えてきました。
来週はいよいよ、2度目のダイジェスト版。
新潟、愛知、兵庫、京都、北海道、愛媛・・・
文字通り、全国から、このメソッドに興味を持ってくれた人たちが、
集まってくれます。
7月には本コースの第2期がスタート。
10月には、ダイジェスト版を持って九州へ。
そして、全国の、セミナーに通えない人たちにも、
メソッドを届ける準備を、少しずつはじめています。
責任の重さをどっしりと感じながら、這うように進む日々です。
やっと見えた頂きに向かって、今は突き進むだけ。
「頂上に立ったら、その先に、もっと高い山が見えた」なんてこと、
ありませんように。。。
【いよいよ、第2期スタートです!】
『MTLヴォイス&ヴォーカル レッスン12』。
いよいよ第2期がスタートいたします。
6月27日(月)メルマガ読者様、
およびダイジェスト版ご参加の方の先行予約スタート。
一般予約は29日(水)スタートです。
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