思い込みと勘違いで他人に意見するのは一種の迷惑行為。
何年か前、知り合いの女性ヴォーカリストに、
「私、衣装は全部ネットで買っているわよ。
目が利けば高いお金なんか払わなくたって、お洒落はできるのよ。」
などと自信たっぷりに言われて、
ちょっぴり残念な気持ちになったことがあります。
たまたま私がお買い物帰りで、
紙袋をいっぱい抱えていたことが話題の発端でした。
彼女は彼女で、そんな私を
「何回も着ない衣装なんかにお金を使うのは無駄遣い」と、
苦々しく思い、教えてくれたくなったのでしょう。
服装の好みはいろいろです。
人前に立つ人なら、
誰だって自分なりのセオリーを持っているのが当然です。
「見た目」でファンの付き方や、ギャラ、
お仕事に呼ばれる数さえ変わるのが音楽業界。
ウンザリするほどきれいな女たちや、
近くに寄りたくもないくらい、
スタイルバツグンの魅力的な女たちの中で、
極々フツーの私がどれだけ惨めで悲しい思いをしてきたか・・・。
ちょっとでも自分を好きになりたくて、
髪型もダイエットも服装もお化粧も、
手当たり次第いろんなことにチャレンジして、
いろんな失敗をして、たくさん時間とお金をつかって、
・・・涙なしには語れないような努力をいたしました。
よよよ・・・。
そうそう、「自分を好きになる本」みたいのも、いっぱい読みました。
ワークブックもやったなぁ。
そうやって、やっと答えらしきものにたどり着いた私に、
「お金」という切り口だけで意見してしまう
(そして、お世辞にもセンスがいいと言えない)その人を、
なんだか可哀想に思ってしまったのでした。
自分で自分を好きと思えるなら、それが一番幸せです。
そんな、ありのままの自分を、
好きと言ってくれる人にだけ囲まれて生きられるなら、
こんなに素敵なことはありません。
他人からどう思われようと、
自分のスタイルを愛し、貫き通す人はいます。
そんな強さがある人も素敵です。
しかし、他人に意見をしたいなら、
その相手が納得するような根拠が必要です。
客観的な視点で見て、
その人よりも圧倒的に優れたところが必要です。
「思い込みと勘違い」は、
自分を成長させるには非常に強力なツールになりますが、
他人を評価したり、他人に意見したりする時に持ち込んでは、
相手は迷惑なだけです。
誰かに意見をするのは、
共通言語としての客観的な価値観を磨いてから。
歌も見た目もパフォーマンスも・・・
全部おなじですね。
◆ 11月3日(土)MTL ワークショップ in 鹿児島
ドリーム企画『ヴォーカリストのためのアンサンブル・ワークショップ』を全国に先駆けて(?)鹿児島で開講します!詳細はこちら。
◆ 9月30日(日)12:00〜 MTLライブ2018 @代官山/晴れたら空に豆まいて
◆全12ユニット6日間で歌が劇的に変化する【第6期 MTLヴォイス &ヴォーカル レッスン12】。
関連記事
-
-
妄想、体験、疑似体験
「芸の肥やし」ということばもありますが、 さまざまな経験を積むほどに、その人の芸 …
-
-
数字じゃなく、「ひとりひとりの顔」に想いを馳せる!
ご存じのように、昨年12月から、 「365日毎日メルマガ宣言」をし、 毎朝10時 …
-
-
自分の「スタイル」を持つ
昔のミュージシャンは、ひとつのバンド、1枚のレコードを、 それはそれはこだわり抜 …
-
-
「ウソ」と「おしゃれ」と「身だしなみ」
「俺って正直だから、ごめんね。」と言い訳しながら、 言いたいこと言い放題という人 …
-
-
「まだまだ」と心が騒ぐから・・・
今年も残すところ、後4日。 この時期、大掃除や片付けをしながら、 1年を振り返る …
-
-
「やるっ!」と決めた時から、旅ははじまっている。
「がまん」という言葉が嫌いです。 やりたいことこそ、やるべきことで、 やりたくな …
-
-
「できないこと」ではなく、 「今できること」に意識を向ける
うまく行かないときに、 うまく行かないところにばかりフォーカスすると、 本来でき …
-
-
生徒たちとの距離感。
「生徒たちとの距離感」は、人にものを教えるものにとって永遠のテーマとも言えるでし …
-
-
やっぱ、最後はエネルギー。
歌の指導をしていく中で、 心がけているのが、 感覚的な説明に終始したり、 精神論 …
-
-
もたもた迷っている暇はない!
「もっと歌詞の意味を考えて歌って!」 そんな風に言われたことのある人は、たくさん …
- PREV
- 人間関係は「見極め」と「覚悟」なのだ。
- NEXT
- 「できない気がしない」自分を信じる。