大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

ねつ造できない感動が、人の心を動かす。

   

How じゃなく、Why。

このブログでも幾度となく取り上げてきているこの命題は、
私の人生のテーマでもあります。

 

やりたくないことは一所懸命できない。
一所懸命できないことでは成功しない。

やらなくちゃいけない、という理由で何かをやらない。

命をかけてやりたいことなら、
どんなに困難に思えても、絶対にいつかできる。

方法論ばかり、どれだけ並べ立てても、
自分にとって意味のないこと、理由のないことは、
絶対に形にならない。

 

How じゃなくてWhy。

どんなに形ばかりこぎれいにまとめても、
取り繕っても、
“Why”の見えてこない音楽は人の胸を打たないもの。

テクニックを磨いたり、
表現力を身につけたりするのは、
カラダの中で暴れている、
どうしようもない思いを音にして外に出したいから。

 

心の声に耳を傾けても、
何にも聞こえてこないのに、
技術や表現力を身につけても、
空っぽな風景をキャンパスに収めるのと同じ。
そこからはなにも生まれないのです。

一方で、たとえ粗野な絵でも、稚拙な音楽でも、
心突き動かされる思いに乗せて出てくる音楽は、
人の心を動かすもの。

心の底からやりたいことなら、
いつか必ず出口はみつかるはず。

人は音楽を通して、絵画や、本や、
さまざまなアート作品、パフォーマンスを通して、
送り手の「心の叫び」を聴くのです。

 

人はエネルギーでしか人を感動させられない。

自分を突き動かす動機、
“Why”なくして、感動は生まれない。

人はときに、”How“ばかりを追い求め、
単なる方法論を会得したことが、
あたかも素晴らしいものを生み出しているかのような、
錯覚を感じてしまうもの。

ねつ造できない感動が、人の心を動かす。

 

クリエイトする人間、
表現する人間が、絶対に忘れてはいけない、
大切な、大切なことです。

 - Life, 音楽

  関連記事

どのくらい馬鹿をやれるか。

めちゃくちゃ久しぶりに “Trainspottting” …

「あぁ、それ、年だよねー」

2024年、初ブログです。 本年もどうぞよろしくお願いします。 今日、10数年来 …

「わかることばで教えてください!」

音楽業界に長くいるほど、 どこまでが専門用語で、どこからが一般のことばか、 これ …

”想い”を形にする

ゆりかもめに揺られてお台場をながめるとき、 いつも、いつも、心によぎる思いがあり …

起きて見る夢 vs. 寝て見る夢

常日頃、道に迷う若者たちに問いかけていること。 「ぜんぶ可能だったら、なにがした …

テクノロジーは「交通手段」のように 付き合う。

歌を志した21〜22才くらいから、 周囲のおとなミュージシャンたちのオススメに素 …

言い切ったもんが勝つ。 そして、言い切れるやつは本気でカッコいい。

「自分を信じる力を才能という」 かのジョン・レノンの名言として、 とある雑誌で紹 …

ROCK、来てます?

昨日の朝のこと、 切らしてしまったオーツミルクを買いに近くのスーパーに行くと、 …

身にまとう”匂い”はごまかせない

「E先生はセレブだから、 飲み会とか誘っちゃいけない雰囲気あるんですよ。 その点 …

「練習が嫌いなんじゃない。「練習をはじめること」が嫌いなんだ。

以前、プロで活躍していたという元スポーツ選手と話していて、 「今でも、毎朝、ジョ …