憧れを現実に変える力
中学に入学して、
生まれて初めて部活動というものをはじめた時、
同じ部活の高校生の先輩が、
それはそれは素敵に見えました。
みなさん、それはそれはおとなっぽくって、
格好よくって、頭よさそうで、
あぁ、素敵だなぁ、と憧れると同時に、
自分なんか、絶対に追いつけないくらい、
果てしなく遠い、特別な存在に見えたものです。
しかし、
同じ学校にいて、同じ教育を受ければ、
もちろん、自分たちだって同じような高校生になります。
同じように自分たちに憧れる後輩もできました。
「MISUMIセンパイ、素敵」なんて、
女子校特有のハートの目で言われたとき、
憧れって、そういうことなんだと、妙に悟りました。
誰かに憧れ、自分にはとうてい追いつけないと思うのは、
彼らが自分にとって手の届かない、
未知の場所に立っているから。
エベレストの山頂に立つ人たちをただ見上げていれば、
彼らがとんでもなく強靱で
特別な人たちのように思えるでしょう。
憧れの対象との隔たりが、
物理的にも、精神的にも、縮まることがなければ、
憧れは一生憧れのままです。
自分自身が憧れの対象に近づきたければ、
もしくは、自分自身が同じような存在になりたければ、
彼らのたどった道を探し当て、
一歩ずつ、一歩ずつ、
山道を登っていくしかありません。
山頂までワープできる人は、ひとりもいません。
山頂に思いを馳せる。
いつか必ずあの地に立とうと決める。
小さな山を、ひとつひとつ登って、下って、
トレーニングを繰り返して、
筋力をつけたり、体力をつけたりして、カラダをつくる。
山登りのノウハウを、
さまざまな人に出会ったり、
さまざまな書物をひもといたりして身につける。
山登りに必要なグッズをひとつひとつ、丁寧に選ぶ。
集める。
使ってみる。
旅に必要なお金をつくる。時間をつくる。
家族の理解を求める。
地図を買う。
登山計画を綿密に練る。
ガイドを見つける。
チケットを買う。
パッキングをする。
出発する。
そして、登る。
一歩ずつ、登る。
一歩ずつ、一歩ずつ、登る。
憧れが憧れのままで終わってしまう人と、
自分自身がいつか憧れの対象になれる人の違いは、
結果を信じること。
ひとつひとつのプロセスに目を向けること。
行動すること。
あきらめないこと。
これに尽きます。
憧れを現実に変える力は、
選ばれた人だけが持つ、特別な力なんかじゃない。
誰もが平等に持っている、人間の本質的な力。
そう信じて今も疑いません。
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