カッコよければなんだっていいじゃん。
歌を指導する立場にいながら、
口が酸っぱくなるほど言い続けていること。
「カッコよければなんだっていいのよ。」
完璧な発声も、クリアなカツゼツも、
微塵も狂わないピッチも、
クロウトウケするアドリブも、
まぁ、職人的にお仕事する人には必要な「スキル」かもしれないけど、
ミュージシャンやヴォーカリストすべてにとっての
絶対条件かというと、そんなことは全くありません。
そんなことを言い出したら、
ボブ・ディランだって、
ロバート・プラントだって、
ジャニス・ジョップリンだって、
みんなアウトです。
少なくとも、ポップミュージックやロックミュージックシーンで、
「○○でなければならない。」は存在しない。
「完璧なお手本」などというものはないんです。
うんざりするほどお上手で、
うんざりするほど退屈なパフォーマンスをするくらいなら、
あっちもこっちもガタガタ、ボロボロだって、
フォームがぐちゃぐちゃだって、
カッコいい方がいいに決まってる。
ガーンと胸を打つエネルギーがあるものの方が、
少なくとも私にはずっといい。
お行儀のよい歌をうまそうに歌う優等生ばかりになったら、
あぁ、音楽はどんなに退屈でしょう。
だって私たちは、
「正しい歌」を歌うために歌を学んでいるのではなく、
自分自身が表現したいと思うことを、
ストレスなく表現できるカラダを持つために、
伝えたい想いを100%伝えて、聞き手の心を動かすために、
歌を学んでいるのではないのか?
少しでも、よいピッチで、
少しでも、いい声で、
もっともっと、カツゼツよく・・・
と、どんどん欲が出るのは、
なにも「完璧な歌」を歌いたいからじゃなく、
自分の頭に想い描く理想を声にするため、
音にするため、
そして、聞き手に、
そんな自分の理想の音を届けたいからじゃないのか?
誰かの「理想」を押しつけられることなく、
「正しさ」というひな形に押し込められ、
燃えさかるような想いを去勢されてしまうことなく、
心が叫ぶままに歌うのだ。
ヴォイトレはね、
そんな心のシャウターたちの、サポーターでしかないんですよ。
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