たかが半音。されど半音。
たった半音のキーの違い。
しかし、この「たかが半音」が大きな違いとなるのが、
音楽の面白いところ。
キーがCの曲を「半音上げて」と言われただけで、
ピアニストにとっては、とてつもなく弾きにくい、
嫌なキーになります。
ピアノやキーボードを弾く人は、
「しょーがないなぁ」と言いたげにこそすれ、
それでもまぁ、キーを変えてくれるもの。
しかし、ギターやベースなど、
いわゆる「竿もの」の人たちはそうはいきません。
Aキーの曲、Dキーの曲、Gキーの曲を、
「半音上げて」だの「半音下げて」だの言おうものなら、
「いや、無理」
「サウンドにならないよ」
「半音くらい、違っても(歌は)どうってことないでしょ?」
などとおっしゃる。(弊社比)
「いやいや。そっちがチューニング半音下げればいいじゃない?」
と言えば、
「曲の繋がりが悪くなる」とくるし、
「じゃ、カポすればいいじゃんっ!?」と言えば、
「そんなのカッコ悪い」とくる。(弊社比)
そんな感じで地味 にモメながら、
毎回キーを決めるわけです。
さて。
ここで、声を大にして言いたいのは、
「たかが半音」は、
ヴォーカリストにとって、
とてつもない違いであるということ。
キーボードやギターが
キーが変わることで、指のポジションが変わって、
弾きづらくなるのと同じくらい、
いや、もしかしたらそれ以上に、
目で見ることのできない、
カラダという楽器の微調整は難しい。
半音変わるだけで、
曲の中での声域のチェンジの位置から、
「鳴り」や「音色」の感覚、
ニュアンスまでもが、見事に変わります。
先日、PINKSのリハーサルで、
大昔、セッションでよく歌っていた曲を歌いました。
大好きな曲で、結構得意にしていた曲。
ところが、どうも声が気持ちいいところに当たらない。
もっと心地よく鳴らせていたはずなのに、なんか抜けない。
そういえば・・・
昔やっていたときは、
オリジナルのままだとキーが難しいからと誰かが言い出して、
半音下げて歌っていたんだった・・・
今回久しぶりにやるに際し、
やっぱりオリジナルキーでやろうということになったんだっけ。。
ひさびさに「たかが半音」の壁に苦しむリハとなりました。
本気でこだわってレコーディングをするときなどは、
「キー的に歌える」「歌えない」という次元を越えて、
一番自分にしっくりくる「音」を求め、
あらゆるキーを試すもの。
楽器隊とのせめぎ合いはありますが、
「たかが半音」と高をくくらず、
キーは慎重に選びたいものです。
最初の一歩を踏み出せないでいるあなたへ、5日間のメッセージ。
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