大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

おわりははじまり。

   

酉の市が立ちはじめると、
あぁ、もう年末よね、と感じてしまいます。

そもそも日本人はイベント好きな上に、
なんでも乗り遅れずに、
ちゃんと準備したいようなところがあって。

そんな国民性に乗っかって、
いつの間にかすっかり日本に浸透した感のある、
謎のハローウィーンの大騒ぎが終わる頃には、

おせち料理やら、年賀状やら、
クリスマスケーキやらと、
あちこちで年末商戦がスタートします。

だからでしょうか。

11月という月は、
なんだか12月までの助走の月であるかのような、
気ぜわしさと、はかなさを感じながら過ごすことになるんですね。

実は私、この11月が大好きなんです。

昔から「好きな季節は?」と聞かれると、
「秋」と答えるのが常でした。

凛と張った空気。
どこまでも青い空。
一日の短さも、日の光のはかなさや、
ふと心に忍び込むちょっとした寂しさも。
それから、夕暮れのオレンジから群青色へと続く、
空のグラデーションも・・・

 

「秋は、寂しい」と言う人がいます。
「厳しい冬が来るのだと思うと、憂鬱になる」という人もいます。

でも終わっていくということは、
はじまるための準備です。

冬が次なる再生に向かうための終焉と考えれば、
秋ほど、可能性に満ちた時期はないのではないか。

だって、春は、
次なる華やかな時期に向けて、
すべてがはじまる季節。

冬は次のはじまりに向けて、
エネルギーと力を蓄えながら、
こつこつと準備を進める季節。

だから、全部がフラットに戻っていく、
この寂しくも美しい季節は、

私にとって、
心身をニュートラルに戻して、
自由を謳歌しながら、
新しき可能性にワクワクと心巡らすのに最適な季節なんです。

これってまるっと人生にもあてはまる。

長年人間をやっていると、
変化していくことも、
終わっていくこともたくさんあります。

若い頃はあんなことも、こんなこともできた。
終わっていくのって、寂しい・・・

そんな風に思う気持ちは、
もちろん、誰にだってあるのだけれど、

おわりははじまり。

終わったことに目を向けて哀しむよりも、
目の前に広がる新しい世界に目を向ける。
そこに可能性を見出す。

今ある自分の最高を追いかける。

暦の上では立冬を過ぎたようですが、
(あ、人生もそうでしょうかしらん???)
今しばらく、秋の自由を謳歌したいと思います。

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