なめたらあかんぜよ
ずいぶん昔。
広告代理店で、プロデューサーのアシスタントのアルバイトをしていたときのことです。
その代理店の正社員として入社したばかりの若者で、
みんなに、ダメだ、ダメだと言われていた人がいました。
いつもオーバーサイズのスーツを着て、髪は伸び放題。
汚れた靴でどたどたと歩く姿は、
今でも忘れられないほど、
典型的な「イケてない男性」でした。
そんな姿が、
クールな代理店の社員たちにはどうも許せなかったようで、
何をやらせてもノロい、
マイペースで気が利かない、
どうも話が食い違う、などなど、
不満の声があがること、しばしばでした。
ところが、です。
5年くらい経って、
当時お世話になっていたプロデューサーと会ったときのこと。
「あいつ、すげ〜んだよ」
と、いきなり、彼を誉めはじめたのです。
狐につままれたような気持ちになって、
念のため名前を確認すると、
「あいつ」は、まさしく、あの、イケてなかった「あいつ」。
なんでも、会社を辞め、
一人事業を興し、とんでもない成功を収めたとか。
「まぁ、ああいう個性的でマイペースなヤツが、
起業で成功するってことだよね」
人は見かけや、ちょっとした印象で、
人のことを判断する。
そして、時々、見誤る。
典型的な例だと思ったものです。
私たちは、それぞれ、さまざまな社会に属し、
その社会にそぐわないもの、違和感を感じるものを、
ついつい軽く見がちです。
自分自身の価値観や尺度で相手を値踏みして、
勝手に相手を格付けしたり、
自分の中での重要度を決めたりします。
これはもう、ある種の本能でしょう。
私自身もずいぶん値踏みされてきたので、
第一印象の大切さは身に染みてわかっています。
だからこそ、ルックスや存在感は大切なわけです。
しかし、ルックスや第一印象やらに、
心が配れるようになるのは、
自分の立ち位置や、やるべき仕事がきっちり見えてから。
無頓着でいるわけではなくても、
自分の理想を追いかけるのに必死な時は、
ルックスにかまける余裕はなかなか持てないものです。
「イケてない、イケてないと言われているやつが、
化ける時こそ、怖い。」
本質を見抜いている人はそれを知っているから、
むやみに第一印象で相手を値踏みしたりしないもの。
自分自身も、
もっと心の目を開いて人を見なくちゃと思うと同時に、
人に軽く見られたら、
「お前こそ、わかってないね」
と受け流す強さとしたたかさが大切なのです。
なめたらあかんぜよ。
◆ 9月9日(土)【MTL Live 12】MTL初の感謝祭。会場一体となるコミュニケーション型ヴォイストレーニング=MISUMIのヴォイトレLive、初公開。
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