「たった5分」に情熱を傾けるのは不毛ですか?
高校時代のお話です。
文化祭前に来る日も来る日も練習に明け暮れる私に、
同級生のUちゃんが言いました。
「ねぇ、MISUMIたち、文化祭で何分くらい演奏するの?」
「持ち時間30分。」
「えぇ〜〜。たった30分のために、そんなに毎日練習してるの〜?
私、絶対無理だわ。」
ものすごくインパクトのあることばでした。
そう言われてみれば、なるほど。
全くその通りです。
たった30分のために、
私たちは夏休みから、なけなしのお小遣いでスタジオを借り、
新学期は、ほぼ毎日朝練、
放課後は下校時間ギリギリまで、練習をしていました。
土曜日も日曜日も、みんなの予定が空いていれば学校でも練習です。
家に帰れば、ごはん時間以外は、
部屋にこもってギターの練習。歌の練習。
授業時間は譜面や歌詞のチェックをしているか、
疲れて寝ているか。
まだまだ、それぞれがへたくそだったこともあり、
単に、集まって練習していることが、
ものすごい充実感を感じたこともあって、
ほんの7〜8曲を演奏するのに、
何十時間も練習したことになります。
ステージに立っていない時間を無駄に感じたら、
音楽って成立しないんだよな。。。
そう、強く思いました。
プレイボタンを押せば、
たった5分で再生の終わってしまう曲をつくるのに、
アーティストは一体何時間つかうのか。
そのアレンジに、演奏に、どれだけの労力と時間がつかわれ、
プレイヤー、アレンジャー、プロデューサー、エンジニア、
カメラマン、デザイナー・・・
どれだけの人がその制作に携わり、
どれだけの人の手、どんなシステムの構築によって、
その曲は人の手に届くのか。
プレイボタンを押せば、たった5分で聞き終わってしまう音楽。
その「たった5分」に、
どれだけの想いと、時間と、人の手がかけられているのか。
「たった5分」が
どれだけの人に勇気をあたえ、
どれだけの人の人生を変えるのか。
コンサートしかり。
パフォーマンス、アート、演劇しかり。
本も、スピーチも、いやおそらく、スポーツだって。。。
「たった5分」。
そこに人生をかけるだけの価値を見いだせた自分を、
なんだかひどく幸せな人間と感じたと同時に、
なんて大変なことに魅了されちゃったんだろうと、
恐ろしさも感じたのでした。
ブログも、メルマガも、きっとおなじ。
ほんの1~2分もあれば読み終わる記事を、
私は日々、夢中になって書いています。
それでも、このブログを、メルマガを、
アップするたびに読んでくれる、
時に数千人にもおよぶ人たちが、
それぞれの大切な2分間を私のことばと共に過ごしてくれると想像したら、
それは、ものすごくスリルを感じること。
「たった5分」をどこまで高められるかを、
一生追いかけていられたら・・・。
私は、今も、それで幸せです。
「たった5分」。
あなたにとって、それは、どんな時間でしょうか。
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