大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

ミュージシャンに、定石も王道もない!

      2015/12/20

29440717_s「MISUMIさんは、何才から歌っているんですか?」

「やっぱり楽譜が読めないと、ダメですよね」

いつかプロになりたいと思っている人は、
そんなことが気になるようです。

私自身、プロの音楽家になるには非常にスタートが遅かったので、
しょっちゅうそんなことを気にしていました。

あの人は何才からピアノをやっていたのだろう?
あの子は絶対音感なのかしら?
プロは曲を聴いたら、すぐに楽譜が書けるのかしら?

そんなことを考えては、不安になったり、落ち込んだしたものです。

プロになって、いろいろなミュージシャンに会いました。

絶対音感を持っているという、ピッチの悪いシンガー。
大学生になってから楽器をはじめて2年足らずで、
有名ミュージシャンと肩を並べて演奏するようになったというドラマー。
スタジオでバリバリ活躍する、譜面の全く読めないキーボーディスト。。。

ある人は英才教育が大切だと言い、
またある人は、こどもの頃の音楽教育による固定概念がなかったから、
自由な発想で音楽が作れるようになったといいます。

ある人は、両親の協力があったおかげでここまで来られたといい、
またある人は、親から反対されたから、反骨精神で成長できたのだといいます。

東京の裕福な家庭で育っていたら、もっと人生開けていただろうと、
田舎の貧しい生まれの人が言えば、
ひ弱な東京原住民に対して、地方生まれの方が圧倒的にパワフルで、早く成功する、
と言う都会育ちの人もいる。

要するに、定石も、王道も、ないということなのです。

自分より優れた誰かに出会ったときに、
その人が、なぜ自分より優れているのかという理由を探したくなるのが人の常。

あの人はこうだから、自分より優れているんだ、
こうだから、自分はあの人より劣っていても仕方が無いのだと、

落ち込んだり、正当化したり、すねたり、一念発起したりする。

でも、最後は、自分が自分であるために、どれだけ必死でがんばれるか。
それしかない気がします。

選べない運命や変えられない過去を嘆いても仕方ない。

自分という人間を極めたら、どこまで行けるのか?

一生かけて見つけなければいけない答えは、きっとそれだけなんです。

 - Life, プロへの突破口

  関連記事

多感なこどもたちにジョークは通用しない

小学生の音楽の授業のときの話です。 「ではこの曲を、誰かに歌ってもらいましょう。 …

「フィルター」をぶっ壊せ

ティーンエイジャーの頃、 とにかくテレビに出ている「タレント」や「アイドル」 そ …

忙しいときほど立ち止まる〜複数の仕事をきっちりこなすためのヒント〜

よほど恵まれた状況にいるミュージシャンでない限り、 いや、恵まれた状況にいるミュ …

ひっぱたかれても納得できないことはやらない!

  まだ幼稚園に通っていた頃。 つまりとんでもなく昔のお話ですが。 & …

なめたらあかんぜよ

ずいぶん昔。 広告代理店で、プロデューサーのアシスタントのアルバイトをしていたと …

感性は「お茶の間」で目覚める

「MISUMI、よく聞いとけよ。歌ってのはこうやって歌うもんだ。 テレビで流れて …

かっこ悪いけど・・・「ギックリ腰」

さて、連日、いい感じでカッコよくLondonの街を闊歩している(かのように見せか …

「妄想」は所詮「妄想」です。

小学校1年の終わりに急性腎炎で、2ヶ月ほど入院し、 (今となっては理由は定かでは …

「東京って、やっぱりすごいんですか?」

週1回ほど京都の音楽学校で教えていた頃。 よく顔を見るギター科の学生と エレベー …

ネガティブ・スパイラルを抜け出す。

私たちが日常的に心の中で繰り返していることばが、 自らのセルフイメージをつくり、 …