大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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ああ、テクノロジぃい

   

音楽家ってのは、(いや、ヴォイストレーナーってのもそうか。)ゴールデンウィークというものは、存在しない職業です。

何年か前に、「私だって、人並みにゴールデンウィークにドライブくらいしたい!」と暴れて、山中湖方面に向かったことがありますが、いやはや、大渋滞で大変なことになりました。
以来、ゴールデンウィークはおとなしく、一所懸命仕事してます。

一昨年の11月から、動画見放題のサブスクをやっていて、毎月1日にサブスク動画を配信していまして。
これ、ちゃんとしたビジネスマンなら、1ヶ月先、2ヶ月先くらいの動画がストックとして置いてあるとか、遅くとも2週間くらい前にはスタッフの手に渡して配信準備をしてもらうとかなのでしょうが、ここだけの話、あたくし、ほぼ毎月、配信数日前に撮影、ぎりっぎりのタイミングで編集完了というケツカッチン進行で生きております。

だってえ、、、気が付いたらスケジュールここしかないって感じになってるんだもん。。。

とはいえ、曲紹介からの、レクチャー、お手本を歌って聞かせたり、視聴者に歌ってもらったりという流れは崩したくない。もちろん、テロップもちゃんと入れています。
見放題で、いつでもリピートできるということで、ご購読者のみなさんの満足度も高いという感触を得ています。ありがたいことです。

ところで、サブスクもYouTUbeなどの動画も、さりげなく撮影しているかのようですが、実は、まぁまぁなセットでやってきました。

一眼レフ、コンデンサーマイク、照明大中3灯、オペ用のPC、キーボード、音声再生用の外部スピーカー、譜面台。。。
新刊の付録動画は、これに加え、ストリーミングミキサーやインイヤーイヤホン、レコーディング用のコンデンサーマイクまで投入してました。
オケはジェフ夫さん制作、音声はLOGIC、動画はFinal Cut Proで編集。

なんで、そんなものものしいことをするかといえば、もう理由はたったひとつ。
自分が繰り返しみたくなるくらいの、クオリティのいいものをつくりたいということに尽きます。
トライ&エラーをする余裕はないし、シロウトがクオリティを高めるためには、ギアとソフトにこだわるしかない…そう信じてきたわけです。
もちろん、失敗も数々あるんですけどね。

ところが、先だって、ショート動画をはじめることにして、勇気を出して少し前に買い替えたばかりのiPhone15で動画を撮ってみたら、おや?キレイ?
さらに、長年つかっていたリングライトが壊れたので、思い切って新型を買ってみたら、あれ?1灯で充分の光量ちゃう?

そんなんで、昨日、はじめて、iPhoneのみ、照明一灯プラス音楽機材まわりのみでサブスク動画を撮影してみたら、これ、画質も色も悪くない。
後は、iPhone15に対応するコンデンサーマイクをゲットすれば、もしかして、iPhoneワンオペで撮影完了するのかも。
しばし、クオリティチェックは必要ですし、バックアップがクラウドにしかないという点が、ただおっかないんですが。

日々進化するテクノロジーは私たちに自由をくれるのか、はたまた余計なことができるようになる分、私たちの時間を奪うのか。

まだまだ当分、戦いは続きます。


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