大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

バイブレーション

   

人は同調し合うもの。

長いこと一緒にいると、しぐさや話し方、果ては声まで似てくるのは、
同調し合う、人の性質のせいであるというのが私の持論です。

 

違うバイブレーションを持つ2人の人間も、
音楽の和音のように、
どこかお互いのバイブレーションを心地よいと感じるから、
惹かれ合い、共に暮らすようになるのかもしれません。

そして、一緒にいるうちに、
そのバイブレーションはますます同調しあって、
音楽的になっていく。

 

ときに2人のバイブレーションが乱れたり、変化したりすると、

互いが不協和音を奏でたり、

もっと酷い時は、チューニングすらあっていない、
互いに違和感しかないバイブレーションをぶつけあってしまったり。

居心地が悪くなるのも、そんなバイブレーションのせいかもしれません。

 

そう考えれば、人間関係においても、
最も大切なことは、相手のバイブレーションを感じること。

相手の音をちゃんと聞けないもの同士が、
いいアンサンブルで演奏できるわけもありません。

 

耳をふさいで、自分の世界に入り込んでいないか。

聞こえているはずの相手の音に、まったく興味を持たずに、
スルーしていないか。
自分の音の音量を大きくし過ぎて、相手に押しつけていないか。

聞いているふりをして、
実際は「自分が聴きたい音」を相手が奏でていると妄想していないか。

相手の音の影に隠れて、適当な音を出していないか。

 

心地よい和音を感じていたいなら、
自分が心地よいバイブレーションを発すること。

迷うときほど、怖いときほど、きっぱりと、自分から発信すること。

きちんと音を出すからこそ、何をどう修正すべきかが見えてくる。

摩擦や不協和音を恐れていたら、本当のハーモニーは生まれない。

 

人間関係は、実に音楽的なものなのですね。

 

 

来週還暦を迎えるロックな相方と出会って19年もの月日が経過しました。
 
ラウド気味で、ディストーションかかりまくりの毎日ですが、
互いの奏でるブルーノートさえも心地よく感じられれば、
最早あうんのグルーブ。

ロック的には悪くないアンサンブルと言えましょうか。

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【大槻啓之 還暦Birthday Live ~These 60 Years~】
6月28日(火) 18:00open/19:30start @目黒ブルースアレイ

 - Life

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