大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「無理」って言うな!

      2017/05/31

「限界」は自分が設定するもの。

 

これが、かれこれ、半世紀ほど人間をやってきて、
私がたどりついた結論です。

 

 

いやいや。

「心の底から信じれば、どんなことでも現実化する」、
なんて、ニューエイジ的な考え方を、
闇雲に信じているわけではありません。

 

どんなに思い込んだって、念じたって、
無理なものは無理。

それは「限界」ではなく、
自分にとっての「夢想」でしかありません。

 

しかし、自らが望んで歩んでいるはずの道の上で、

早々に「限界」を設定するのは、
怠惰以外のなにものでもないのではないか?

 

キーが高すぎて歌えない。

歌詞なんか覚えられない。

そんなリズム、血にない。

日本人なんだから、英語を完璧に発音なんかできない。

今さら耳なんか鍛えられるわけがない。

・・・etc.etc….

 

 

 

「無理」と言ってしまえば、なんだって「無理」。

それ以上の努力も、工夫も、研究も、
すべて放棄して、

自分を哀れんだり、嫌いになったりする、
そのくせ、ちょっとほっとしたりするための、
魔法のことばです。

 

努力は、いつだって、「限界」の先にあります。

ことばを変えれば、
「限界」と感じるまでは、
ただ普通に、好きだから、やりたいから、
やっているだけなのかもしれません。

 

だから、壁にぶち当たったときに、
初めて自分という人間が試される。

いくつもの壁を越えたものだけが、
道を究めることができる。

 

「無理」とその先の努力を回避するなら、
何をやっても、結局、
ひとつのことを極められないヤツで終わるのです。

 

反対に、「絶対にやる」と決意すれば、

できる方法を考える、

できるまで食らいつく、

一緒にやってくれる人を見つける・・・などなど、

やれることはいくらでもあるはずです。

 

 

 

「無理」と感じたときこそがチャンス。
その壁を越えたときこそ、
その他大勢の人たちとは、ひと味もふた味も違う世界が見られる。

 

そう信じて、今日も「無理」を飲み込み、
進ムノデス。

コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』購読はこちらから。

 - Life, 夢を叶える

  関連記事

未来を切り開くのは、ひらめき、学び、そして自信。

ひらめきは突然やってきます。 「あ!今、これ、やっといた方がいいわ。」 「おぉお …

エゴイストで行こうっ!

「ポジティブで前向き」というのが、 自他共に認める私の思考の傾向。 しかし、ここ …

パッションこそが推進力

「ボーカル、どうしてやりたいの?」 かつて教えていた音楽学校で、こんな質問をした …

「なんで電話番号わかったんですか?」

今日、来客中に電話が鳴り、 リビングにいたジェフ夫さんが対応してくれたようなので …

なんで、「できる」って言っちゃうんですか?

まだ小学生の頃だったか、 おとなたちが屋外で音楽をかけながら、 パーティーをして …

自分の「イケてるところ」に視線を集める。

「しっかし、綺麗な顔してるわよね〜。 マジでどっこもいじってないの?」 「だから …

「そこにいること」の大切さを語りすぎることは、たぶんない。

長年、音楽の仕事をしていると、 「そこにいること」の大切さが、しみじみわかります …

バンドマンって、大変なんだ。

はじめて「フライヤー」ということばを聞いたのは、ニューヨークで初ライブをやったと …

「真っ白な灰」に、なりますか?

リングの上で真っ白な灰になった、『あしたのジョー』。 命を賭けられるほどのものに …

群れない

まわりにいる人を見ると、その人のことが分かると言います。 同じような空気感の、 …