大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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ネガティブ・スパイラルを抜け出す。

      2019/10/26

私たちが日常的に心の中で繰り返していることばが、
自らのセルフイメージをつくり、
やがて人生そのものを変えていく。

そんなことをどこかで読んで、
そういえば、自分は日頃、
どんなことを考えているのか?と
胸に手を当ててみました。

私の場合、意識的にものを「考えている」時間が非常に長くて、
しかも「書き魔」ですから、
漠然と頭に浮かんだことを、
少なくとも自分がしっかり理解できるように、
言語化する習慣があります。

よほど夢中になれる本や映画以外、
100%受け身の姿勢で鑑賞することが苦手で、
常に手元にPCやスマホを置いて、
映画や本の中で気になったことを調べたり、
思いついたことをメモしたり・・・

あぁ、オタクっぽい。

では無意識に心の中で反芻していることばはないのかというと、
もちろん、そんなことはありません。

以前見た『ベルリン天使の詩』という映画の冒頭部分で、
人の心の声が聞こえる天使たちの描写を通して、
私たちが日々心の中で繰り返すとりとめもないことばが
とても巧妙に描かれていましたが、まさにあんな感じ。

まぁ、どうでもいいことを、くよくよ思い続けることも、
気づけば、自分でも嫌になるほどくだらないことに心奪われて、
どうでもいい独白を繰り返していることもあるわけで。

そういえば、
最近はかなりポジティブに自分のことを語れるようになりましたが、
10年くらい前までは、
セルフイメージの低いことばばかり繰り返していたかもしれません。

セルフイメージの低いことばを反芻していると、
どんどんセルフイメージが低くなる。
セルフイメージって、顔に出るから、
まわりから大切に扱ってもらえない。
大切にしてもらえないから、
またセルフイメージが低くなる。
自信が持てないと何をやってもうまくいかない。
うまくいかないから、人にもダメだねという顔で見られる。
またセルフイメージが低くなる。。。

これぞまさしく負のスパイラルですね。

人は自分を卑下することで、自分を憐れんだり、
怠けることをよしとするようなところもありますから、
これではいつまで経っても、負のスパイラルから抜け出すことはできません。

無意識に心の中で繰り返してしまうことばを変えていくことは、
簡単ではありませんが、
意識してつかうことばを変えて行くことはできます。

毎日つかうことばは、習慣になりますから、
やがて無意識の領域に浸透し、
少しずつネガティブ・スパイラルから脱却できるはず。

そんな風に信じて、まずは、自分を誉めてみる。
いいところがなかなか見つけられないなら、
がんばっているねと認めてあげる。
がんばっている自分に、ありがとうと言ってみる。

苦笑する人もいると思いますが、
いやいやどうして、
こういう地味な努力が少しずつ自分を変えるんですよね。

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