大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「これはイヤ」はわかるのに、「これが好き」を選べない。

   

以前、(たしかジェームズスキナー氏の本だったと思うのだけど)自己啓発書のワークで、「最良の1日の日記」というのを書いたことがあります。
あなたが望むことすべてが実現した1日をありありと思う浮かべて、日記形式で書きなさい、といった内容のワークだったのですが、これがものすごく難しくて、めちゃくちゃ苦労しました。

書いた事は全部叶う。裏をかえせば、書かないことは叶わない。
さぁ、大変です。
「●●賞を受賞した!」なんて、書いたとして、もしそれが叶っても、もしかしたら、その時自分は108才かもしれない。病に苦しんでいるかも、貧困にあえいでいるかも、ひょっとして、ひとりぼっちかもしれない。

だから、自分自身の心身の状態や、環境含め、その日に叶っていて欲しい要素をぜ〜んぶ盛り込まなくちゃいけないんだ!と、思ったら、なんだかドキドキして、結局めちゃくちゃ時間がかかってしまいました。

しかし、これ、ものすごく勉強になったんです。

人は、「これはイヤ」というのはすぐにわかります。
一方で、「これを選ぶ」「これを望む」ということを迷いなく言える人は非常にまれです。

歌でも同じ。
こんな歌は嫌い、あんな声はしっくりこないと、「歌いたくない歌」はすぐにわかるのに、いざ、「どんな歌が歌いたいですか?」と言われると、あれもこれもと目移りして、明確な答えが出てきません。
今日歌いたい歌はわかっても、将来的にこんなシンガーになりたいという具体像が描けないことも多々あります。

選択肢は無限大にあるんだから仕方ないと思うかもしれませんが、時間は有限。
あれこれ、好きな曲を片っ端から歌う時期があっても、もちろんかまわないのだけど、本気でうまくなりたい、認知されたいと思ったら、「今はこれで行こう!」というコミットメントは必須です。

心に決めたら、勇気を出して前に踏み出すこと。

「好き」「やりたい」をどんどん追い込んでいくこと。

人がやっていることを見て、いちいち自分のやっていることをコロコロ変えないこと。

自分自身の感性と、未来を信じること。

思ったように進めないことは普通にあります。
思ったのと違う方向に運ばれて行くこともあります。

でも、ここで、コミットしないと、どこにも行けない。
何年たっても、あんなことやりたい、こんな人が羨ましいとウロウロすることになる。

人生はびっくりするほど短いから、時には目をつぶって飛び込まなくちゃ。
Let’s do it!

 


■具体的な曲の絞り込み方野コツを明日発行のメルマガ『声出していこうっ!』に書きます。ご登録いただいた方全員に、『朝から気持ちい声を出すためのモーニングルーティン10』をプレゼントしています。バックナンバーも読めますのでぜひ。ご購読はこちらから。

 

 

■FBの著者ページにて、歌が大好きなあなたのためのスペシャルコンテンツをアップしています。FBに登録していない方もごらんいただけます。

 - Life, 夢を叶える

  関連記事

それはプラシーボじゃないのか?

いい楽器は、いい音がする。 名のある歌手は、やっぱりうまい。 高価なフルーツは、 …

コツコツ積み重ねる微差が、逆転勝ちを演出する

自分の生まれは選べません。 生まれたときから、才能やルックスや音楽環境に恵まれて …

ティーンエイジャーという名の憂鬱

プライベートレッスンでは、事務所さんやレコード会社さんから、活躍中のアーティスト …

光と影

昨日はボイトレを担当していたアイドルグループのデビューライブへ。 9000人もの …

「すごいヤツ」は行動する。

「シンガーソングライターとして世の中に出ていきたいなら、 今どき、自分の録音環境 …

「わかることばで教えてください!」

音楽業界に長くいるほど、 どこまでが専門用語で、どこからが一般のことばか、 これ …

頭痛がイタい!?

ここ1~2週間、頭痛に悩まされていました。 毎朝、首がぱんぱんに張って目が覚める …

やりたいか。やりたくないか。

高校時代、毎日何時間も練習してたギターがなかなかうまくならなくて、 手が小さいか …

カルメンマキさんが、スタジオの丸窓から覗きこんでくれた日

間もなく高校3年なろうとしていた頃のこと。 女子校仲間と組んでいたバンドのライブ …

「腐ったリンゴ」を手に入れる/『腐ったリンゴ』

こんな人と付き合った方が得じゃないか? もっと、こんな音楽をやった方がいいんじゃ …