「これはイヤ」はわかるのに、「これが好き」を選べない。
以前、(たしかジェームズスキナー氏の本だったと思うのだけど)自己啓発書のワークで、「最良の1日の日記」というのを書いたことがあります。
あなたが望むことすべてが実現した1日をありありと思う浮かべて、日記形式で書きなさい、といった内容のワークだったのですが、これがものすごく難しくて、めちゃくちゃ苦労しました。
書いた事は全部叶う。裏をかえせば、書かないことは叶わない。
さぁ、大変です。
「●●賞を受賞した!」なんて、書いたとして、もしそれが叶っても、もしかしたら、その時自分は108才かもしれない。病に苦しんでいるかも、貧困にあえいでいるかも、ひょっとして、ひとりぼっちかもしれない。
だから、自分自身の心身の状態や、環境含め、その日に叶っていて欲しい要素をぜ〜んぶ盛り込まなくちゃいけないんだ!と、思ったら、なんだかドキドキして、結局めちゃくちゃ時間がかかってしまいました。
しかし、これ、ものすごく勉強になったんです。
人は、「これはイヤ」というのはすぐにわかります。
一方で、「これを選ぶ」「これを望む」ということを迷いなく言える人は非常にまれです。
歌でも同じ。
こんな歌は嫌い、あんな声はしっくりこないと、「歌いたくない歌」はすぐにわかるのに、いざ、「どんな歌が歌いたいですか?」と言われると、あれもこれもと目移りして、明確な答えが出てきません。
今日歌いたい歌はわかっても、将来的にこんなシンガーになりたいという具体像が描けないことも多々あります。
選択肢は無限大にあるんだから仕方ないと思うかもしれませんが、時間は有限。
あれこれ、好きな曲を片っ端から歌う時期があっても、もちろんかまわないのだけど、本気でうまくなりたい、認知されたいと思ったら、「今はこれで行こう!」というコミットメントは必須です。
心に決めたら、勇気を出して前に踏み出すこと。
「好き」「やりたい」をどんどん追い込んでいくこと。
人がやっていることを見て、いちいち自分のやっていることをコロコロ変えないこと。
自分自身の感性と、未来を信じること。
思ったように進めないことは普通にあります。
思ったのと違う方向に運ばれて行くこともあります。
でも、ここで、コミットしないと、どこにも行けない。
何年たっても、あんなことやりたい、こんな人が羨ましいとウロウロすることになる。
人生はびっくりするほど短いから、時には目をつぶって飛び込まなくちゃ。
Let’s do it!
■具体的な曲の絞り込み方野コツを明日発行のメルマガ『声出していこうっ!』に書きます。ご登録いただいた方全員に、『朝から気持ちい声を出すためのモーニングルーティン10』をプレゼントしています。バックナンバーも読めますのでぜひ。ご購読はこちらから。
関連記事
-
-
まずはライブハウスを押さえろ。話はそれからだ。
「いつか、ライブできたらいいなって思って」 レッスンでこんなことばを聞くと、反射 …
-
-
「変わってる」って、なんだよ?
自分は何に、どんなことに、反応する体質なのか。 自分のアンテナは何に反応し、どん …
-
-
「振り返ればいつも若造」reprise
「振り返ればいつも若造」。 何年か前から使っている、お気に入りの言い回しです。 …
-
-
一瞬一瞬を大切に、大切に生きる。
ブログを書くようになって、 日々、自分の過去の記憶をたどっています。 ところが、 …
-
-
We Gotta Get Out Of This Place!
夢中で毎日を過ごすうちに、気づけばずいぶんおとなになっていた。 あまりにもずっと …
-
-
迷ったら「続ける」、迷ったら「始める」
「今の仕事を続けていても、なんにもならないんじゃないか?」 「この人間関係を続け …
-
-
飽きず、 腐らず、 あきらめず。
自らが選んだ道の上で、 人に選ばれ、 人に望まれ、 人に期待されること。 &nb …
-
-
どんなに優れたアイディアも、 形にならなければ存在しないも同然
昔読んだ本に、「完璧主義のぐず」ということばがありました。 とにか …
-
-
肉体は変化する
ずいぶん前のことになります。 クラプトンのコンサートのチケットがあるからと、 友 …
-
-
けなし上手 vs. 誉め上手
「MISUMIは音痴だからさぁ。」 「ほら、あんたって、お勉強はできるけど人間的 …
- PREV
- 「人生変わりました」
- NEXT
- 人に年齢を言うのをやめてみる。