自分を好きになるということ。
2017/10/29
こどもの頃から、
自分じゃない人間になりたいと思っていた年月があまりにも長くて、
今思い返しても笑えるくらいです。
「名前を変えて」と父にねだったり、
お金持ちのお嬢様に生まれたかったと、
マンガや童話の主人公を心の底からうらやんだり。
思春期になると、
長身細身な男の子に生まれ変わりたくて、
鏡を見ては、長身細身とはかけ離れた、
チビでまるっこい自分のカラダを見てがっかりしたり。
ギターをはじめれば、
ジミーペイジとは似ても似つかぬ小さな手が気に入らなくて、
来る日も来る日も、自分の手を眺めてため息をつき、
ヴォーカルに転校すれば、
サラ・ヴォーンのように太りたくて、
食べても食べても思うように太れない自分の体質を恨み。
自分は、なんで白人じゃないんだと、鼻に洗濯ばさみをつけ、
(本気でやった)
日本なんか嫌いだと、外国の映画ばかりを見て、
スーパーモデルみたいになりたくて、
ダイエットやエクササイズを手あたり次第試し、
美人な先輩たちが羨ましくて、鏡を見ては日々号泣し・・・
そんな、ロックでもクールでもなんでもない、
イケてない、イケてない時間を、どれだけ過ごしたことでしょう。
もしも、自分じゃなかったら、
私の人生は、どんな人生だっただろう?
そんな風に考えることの不毛さ、ばかばかしさ。
それでも、そんなワナにずぅ〜っとかかったまま、
おとなになりました。
目が覚めたきっかけは、
パラリンピックのメダリストの談話でした。
「私は、自分が持っていないものではなく、
持っているものを数えるのです。」
自分が持っているものは、
自分にとって当たり前すぎて、気づくことができないものです。
足を骨折して、
初めて、両足で歩けることの幸せを実感しました。
年を重ねて、
自分の顔やカラダが嫌いでたまらなかった時代の写真や映像を振り返って、
なんで、こんなにぴちぴちで、
意外と悪くないルックスだったのに、
この世で一番自分の顔が嫌いくらいに思ってたんだろうと、
かつての自分を不憫に思えたりもしました。
自分自身を受け入れられないから、
自分が自分であることの特別さや素晴らしさに感謝できないから、
自分を愛せないのだ。
自分を愛せないから、
自分がおかれた環境や周囲の人々に感謝できないのだ。
まわりに感謝できないから、
いつだって孤独で、淋しくて、
だからいつまでも、いつまでも、自分を受け入れられないのだ。
どれだけの奇跡に選ばれて、
今、自分自身が、ここにこうしていられるのか。
どれだけの人々が、
今の自分自身をつくり、支え、導いてくれているか。
自分を受け入れて、
自分を愛せるようになって、
しみじみ、気がつきました。
そして、そのことに気づけたおかげで、
さらにさらに、自分を愛せるように、認められるようになりました。
自分の特別さ、素晴らしさに気づけない人に会うたびに、
そして、それは、ほぼ毎日のことなのですが、
「もっと自分のいいところにフォーカスしなさい。」
「いい気になりなさい」
と言い続けています。
多くの人にとって、
それは本当に本当に難しいことなのだけど、
あんなに、あんなに自分を嫌いだった私でも、
こんなに、びっくりするくらいに、
いや、もう、うざいくらいに、自分を好きになることができる。
だからね。
きっと。
大丈夫。
Know yourself!
Be yourself!
Love yourself!
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