大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

ウソをつくなら、自分を騙せ!

   

ウソはダメだとわかっているのに、人は時々ウソをつく。
いや、時々じゃなく、意外にしょっちゅうウソをつく。

 

人を欺いたり、陥れたりするウソは、本人もたいがい自覚があるものだけど、
気づけないのが、自分を欺くウソ。

気づいていても、ま、いいかと、やっぱりつくのが、

相手のために、よかれと思ってつくウソ。
嫌われたくなくて、思わずつくウソ。
傷つけないように、優しくつくウソ。

 

こどもの頃は、正直なことは美徳と教えられたのに、
おとなになってからは、小さなウソのひとつもつけないと、
融通が利かない、空気が読めない、自己主張が激しい・・・
などとレッテルを貼られる。

 

確かに、「あたしって、正直だからさぁ、ごめんね。」
と言い訳しながら、人の欠点や弱みをあげつらうような人は、
単なる自己中で、無神経だと嫌われる。

 

ウソをつくのは嫌だし、嫌われるのはもっと嫌だとばかり、
本音を隠して、口をつぐんでいる人は、ネクラだよねと噂される。
悪意のないウソは、人間関係を円滑にするために、必要なものなのでしょう。

 

「ウソをつくなら、自分を騙すこと」が、最も効果的で手っ取り早い方法。

つまり、自分を完璧に騙せたら、
その自分の口から出てくることばは、最早ウソではないわけです。
よそのこどもを、「あらぁ、可愛い赤ちゃん!」などと誉めるときも、

心のどこかで「微妙なルックスだなぁ」などとディスっていれば、
必ず、態度や表情のどこかに現れてしまう。
瞬間的に、完璧に、自分自身を騙す。

 
「うわっ可愛いっ!」と心から思える精神状態を作り出す。

 
名女優、名俳優は、そんな風に、完璧に自分を騙せる人であることは、
疑う余地がありません。

 

全くその気にならない人と、激しいラブシーンを展開する、
数回しか会ったことのない人を自分の親として、その(かりそめの)死を嘆く、
虫も殺せない性格のくせに、殺人鬼として目の前の人たちを惨殺する・・・

自分自身を騙せなかったら、
スクリーンに映るその姿で見る人々の心を動かすことは不可能です。

 

どんなパフォーマンスも、ある種、完璧に自分自身を騙せるかどうかが勝負です。
歌手しかり。俳優しかり。サギ師しかり。
おそらく多くの政治家、しかり。

 

どうせ騙すなら、完璧に徹底的に。
しかし、多くの人が、自分自身や相手を騙し続けることに失敗して、
しっぽを出します。

 

ある日突然、自分のウソに気づいてしまう。
シラフの時は、完璧に自分を騙せているのに、酩酊すると本音が出てしまう。
なにか、心の深いところで、しっくりこない感覚がある。。。など。
「自分を騙す」にも限界がありそうです。

突き通せないウソなら、最初からつかない。
ウソを突き通さなくてはならないような状況になるべく自分をおかない。

そして、最も大切なことは、ウソがばれたとき、
それをごまかすためにウソの上塗りをしないこと。
素直に認めること。

どちらにしても、ウソはやっぱりばれるのです。

 

40718611_s

 - Life

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

どうせ見えない未来なら、明るい側面だけを期待して生きる。

「MISUMI、そんなことしてて、将来どうするつもりなの?」 思春期の頃から、ア …

思い込みと勘違いで他人に意見するのは一種の迷惑行為。

何年か前、知り合いの女性ヴォーカリストに、 「私、衣装は全部ネットで買っているわ …

シンプルでもいい。複雑でもいい。「生きる」を楽しむ。

学生時代、小笠原の父島という島を、 友人たちと共に自転車を担いで訪れたことがあり …

小さな選択の連続がやがて大きく流れを変える。

人生にはいわゆるターニングポイントというのがあります。 それがいつ訪れるのかはわ …

「思いきりOFF」で、効率をあげる。

「休みの日には思いきり休みなさい」と、みんなに言っています。 たまりにたまった雑 …

「一部」は「全部」 

足の薬指を骨折したことがあります。 発熱まではいきませんでしたが、 一日中、なん …

テクノロジーから逃げない

機械音痴だというつもりはありませんが、 性格的に緻密なことが無理なようで、 &n …

「自分の常識は他人の非常識」

「私なんて、ごく普通だから・・・」 という風に言う人は、本当にたくさんいますが、 …

旅に出よう!〜自分自身を見つめ直すチャンス〜

海外に出かけると、日本人が日本人と目を合わせないようにしていることに気づいて、 …

そして、戦いは続くのだ。

最近、ブログを読んでくださっているというさまざまな方とお話するたびに、 「あぁ、 …