大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「自分の常識は他人の非常識」

   

「私なんて、ごく普通だから・・・」
という風に言う人は、本当にたくさんいますが、
「普通」は、あくまでも、本人にとっての「普通」。

 

自分にとっては、当たり前すぎて、
人様に話すような価値はないと感じるようなことほど、

赤の他人が聞いたら、ひっくり返るほどびっくりするような、
非常識だったりするものです。

 

その思いがけない情報が、誰かを助けたり、鼓舞したり、
夢を与えたり、楽しい気持ちにするかもしれない。

 

どんな人も、自分自身という財産を棚卸しすれば、
資源や宝がざくざくと出てくるもの。

自分という人間を客観的に、冷静に見てみることなしに、
自分自身の本当の価値はわからないのです。

 

「自分探し」の名の下に、
さまざまな習い事をしたり、勉強会に出たりする人はたくさんいますが、

自分自身を見つめ直したいなら、
まずは、自分にとっての常識を見直してみること。

 

 

自分自身が日頃から不満に思っていることをつきつめて、
発明王になってしまう人、

自分周辺の人の話すことばがテレビなどで聞くことばと違うことに気がついて、
方言辞典をつくってしまう人、

「誰でも知ってる当たり前のこと」だと思っていたことを書籍に書いて、
カリスマ主婦になってしまった人・・・・
青い鳥はいつだって、家の中にいるのです。

 

 

自分にはなんにもない。
自分って、なんてつまらない、平凡な人間なんだ。
人に語れるようなことはなにひとつないんだ・・・

 

そんな風に落ち込んで、自分探しの旅に出かける前に、

もう一度、じっくり家の中を探してみましょうね。

40342895_s

 

 - Life

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

未来人たちよ。「リアル」に触れよ。

自分が高校生、大学生だった時代を振り返ると、 あぁ、ずいぶん未来までやってきちゃ …

「へたくそな自分」を楽しむ

一昔前までは、 『NHKのど自慢』に登場するような、 歌好きのひとたちって、 も …

「表現したい」という欲求は、 それが可能な人にのみ与えられるエネルギー。

「クリエイティビティの源は何ですか?」と聞いたら、 「リビドーですよ」と答えたア …

「らしさ」の延長にしか、成功はない

歌の道でプロを目指そうと心に決めたのは、たぶん、20才くらいの時。 ピアノもダメ …

人は、人を「育てる」ことはできない。

レッスンを担当しているシンガーたちが、 ぐんぐん成長していく姿を見るのは、誰だっ …

一生ヴォイストレーナーのいらない人になる。

「歌なんか、人にならうもんじゃないだろう。」 そんなことばをどれだけ言われてきた …

「ときめかない」ものは、「ときめかない」。以上。

こどもの頃から、アイドル歌手というものに、 ホントに興味が持てませんでした。 友 …

「すごい人」と、自分との距離。

どんな分野にも、すごい人というのはいるものです。 すごい人に出会う度に、自分の凡 …

「なり方」なんて、きっとない。

 「普通の人とおなじことしてたんじゃ、何者にもなれないでしょ」 ボイトレに通って …

「風邪は引かないことにしています」

長年アニメのディレクターとしてお仕事をしている姉が、 高校生の頃、父の学生時代の …