大槻水澄(MISUMI)ブログ 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「歌うのが嫌い」という人の本当のわけ

   

「音楽に興味がない」「興味が持てない」という人は、ときどきいますが、
「音楽が嫌い」という人には、いまだに会ったことがありません。

 

特定の音楽が嫌いとか、
この曲を演奏しているバンドや歌手が嫌いとか、
こういう音が嫌いと言うことは、よくありますが、
音楽そのものが嫌いという人は、いたとしても非常にまれ。

 
音楽は、人間の本能や根源的なところと、
密接な関わりがあるからかもしれません。

 

ところで、「歌うことが嫌い」という人には、よく出会います。

 

前述のように、音楽が人間の本能に根ざすものなら、
歌うことも同じはず。

 
「歌うことが嫌い」というのは、
鳥がさえずるのを拒否するようなもの、
犬がしっぽを振るのを嫌うようなもの。
つまり、自然なことではない。。。というのが私の意見です。

 

しかし、それでも、「歌うことが嫌い」という人は確実にいて、
ボイトレオタク的、好奇心をかき立てられます。

 

そこで、「歌うことが嫌い」という人たちに、
ぐいぐい踏み込んで質問をしてみると、

彼らが本当に嫌いなのは、「歌うこと」そのものではない。
歌につきものの、状況、環境、状態が嫌いなのです。

 

今日は、『「歌うのが嫌い」という人の本当のわけ』を分析してみたいと思います。

 

1.思うように歌えない。

思うように歌えない大きな理由は、歌う頻度が少ないから。

当然です。

ジョギングも準備運動もしないで、
いきなりロードレースに出て、「カラダが動かない」と文句を言うようなものです。

 

2.タバコの煙やお酒の匂いが充満した、カラオケボックスなど「歌う場」が好きになれない。

プロミュージシャンや、歌が好きな人、じょうずな人でも、
カラオケボックスや、カラオケのあるお店が嫌いな人はたくさんいます。

カラオケ自体、けして音質や演奏のクオリティのいいものではありませんから、
音楽好きな人には、我慢ならないという人もたくさんいます。

 

また、そもそも、タバコやお酒は「歌う」ためには、けしていいものではありません。
健康な人でも、タバコやお酒のせいで、ノドが痛くなったり枯れたりすることも、
よくあります。

カラオケの場が嫌いなことを、恥ずかしがる必要はありません。

 

3.歌うことで、声が枯れたり、ノドが痛くなったりと、不快を感じる。

 
声が枯れたり、ノドが痛くなるのは、空気が悪いという以外の理由でも起こります。

無理な発声や、キーのあわない曲を無理矢理歌うこと。
空気の乾燥。
体調不良・・・etc.

そもそも、1.と同じように、歌っていない人は、
歌うための筋力が弱っている可能性も大いにあります。

気持ちよく歌えないから、歌わなくなる。なおさら歌えなくなる。

悪循環です。

 

4.拍手やお世辞を強要されたり、無理矢理歌わされたり、

聞きたくない歌で盛り上がったふりをしなくてはいけないような、
「歌にまつわる人間関係」が嫌い。
誰かと一緒に歌いに行くのなら、気持ちのいい仲間を選んでください。

バンドだって、いくつも組んでは壊し、壊しては新メンバーを探し、
というように、たくさんの試行錯誤の結果メンバーが固まるものです。

そのくらい、「音楽を一緒に楽しむ仲間」というのは大切なものです。

お付き合いのカラオケのせいで、「自分は歌が嫌いだ」と思い込むのはやめてください。

 

5.歌うと、人に何か言われる。馬鹿にされる。

自分が好きで歌っている歌を他人にジャッジされるのは、不快なものです。

歌うこと自体は楽しくても、その先に不愉快な時間が待っているのでは、
歌うことの喜びは半減です。

歌は本来、本当に気持ちよくて、楽しいものです。

その気持ちよさを謳歌するまで、しばし、ひとりきりで歌う方が無難かもしれません。

 

 

いかがでしょう?

 

「歌うことが嫌い」なのではなく、「歌にまつわる不愉快なことが嫌い」。

そう気づけたら、不愉快なことをひとつひとつ排除できるはずです。

 

 

もっともっとたくさんの人に、歌うことを好きになって欲しいな、と思うのです。

6931952_s

【Day-to-day】
『MTLヴォイス&ヴォーカル オープンレッスン12』、初日が終了しました!
素晴らしいみなさんと出会え、とても充実した時間をすごしました。
ありがとうございました。

詳しくはまた追々。

今日はぐっすり眠れそうです(^^)

 - Life

Comment

  1. 匿名 より:

    なんと言うか…。
    そこまでして歌いたいとも思わないです…。

  2. 匿名 より:

    歌が好きでボイトレに通って、歌が大嫌いになりました。発表会の都度、批評されて、どう歌ったらいいのかわからなくなって、ボイトレをやめた今でも人前で歌うことが怖いです。

    一人で歌って謳歌いいですね。また、歌う事、楽しみたいです。

  3. 匿名 より:

    音楽にとって言葉は邪魔になるように思うので歌は無いほうが気に入ってます

  4. 匿名 より:

    今日も午前中に 一人で4時間 マイク握りっぱなしでした。唄は好きですが 下手です。まあまあ 声は出ていたので楽しめました。ゴジラが放射能を吐き出すように 私は、腹にたまってきた 黒い毒々しいものを解き放ってきました(笑) なので 部屋から出たとき 性格が少し良くなった気がしました。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。

  関連記事

自分自身の心の在処(ありか)を探す

我が家の初代わんこ、デイジーさんの体重はおよそ24キロ。 レトリバーにしては、か …

落ちるときにはとことん落ちる

身も心も、奈落の底まで落ちるような感覚を経験したことのないという人は、 世の中に …

数字じゃなく、「ひとりひとりの顔」に想いを馳せる!

ご存じのように、昨年12月から、 「365日毎日メルマガ宣言」をし、 毎朝10時 …

「無理」って言うな!

「限界」は自分が設定するもの。   これが、かれこれ、半世紀ほど人間を …

何を切り取るか。どう切り取るか。

家族や友人たちと、昔の思い出話をしていると、 記憶に蘇ることや、「こんなことがあ …

「無駄な努力」は、 果たして本当に「無駄」なのか?

「あ。これやってみたい!」 ちょっとした閃きに、心をつかまれて、 どうにもこうに …

“Discover Book Bar”にてお話させていただきました!

『「自分」が伝わる声ヂカラ』をディスカヴァー21さんから出版させていただいたのが …

no image
人はアウトプットすることで成長する

「学ぶ」といえば、本を読んだり、音楽を聴いたり、人の話を聞いたりと、 インプット …

「また、やっちゃった」と落ち込まないためには?

人はなぜ、同じ過ちを何度も何度も繰り返してしまうのでしょう? 毎回、それなりに後 …

自分自身の変化にどこまで鈍感かつ寛容でいられるのか?

人間は自分自身の変化には非常に鈍感かつ寛容なものです。   24時間、 …