大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

自分らしく歌う。 自分であるために歌う。 ありのままの自分で歌う。

      2022/12/25

「ちゃんと勉強した人が綺麗な声できちんと歌う」っていう、
従来の音楽的価値観をぶっ壊して、
音楽はもっと自由にやろう、
音楽はフィーリングでしょ?ってブルースやジャズが生まれて。

自由にやるのもいいけど、
もっと踊れるリズムでやらない?ってR&Bとか生まれて。

もっと激しく、いや、ヘタとかうまいとか、どうでもいいじゃん?
キレイな音とか出なくていいじゃん?
って、ロックが生まれて。

ロックだって、激しいだけじゃなくって、
もっと様式的な美しさとかあった方がいいんじゃない?とか、
原点であるクラシックミュージックと融合してみない?なんて人たちが現れて。

とにかく既成概念をぶっ壊してぶっ壊してぶっ壊して一周して、
またぶっ壊して・・・音楽は進化し続ける。

だから、高い声がでなきゃいけないとか、
豊かな声が出なきゃだめとか、
声が歪まなきゃとか、声域がどうとか、
そんな、いわば、
いわばですよ、
どうでもいいことに縛り付けられて、
音楽をやる自由を自らの手で奪ってしまうのは、ほんっとに違う。

出る声が自分の声。
歌えるように歌うことこそが自由。

できないことにフォーカスするのなんか、とっととやめて、
今ある自分と、とことん向き合う。
自分をぜんぶ受け入れる。楽しむ。

音楽の楽しさって、そっからはじまるんじゃないのか。

もっと面白くしたい、
もっと楽しみたい、
もっとカッコよくやりたい…。

既存の価値観をぶっ壊して、
自分にとってのカッコよさをどんどん追求していく。

だから、人生って楽しいんじゃないのか。

価値観ってさ、多数決じゃないんですよね。

マイノリティだからって肩身が狭く感じるのは、おかしい。
自分にとっての正解は、誰になんと言われようと変えようがない。

少数派である、理解されない、という理由で、自信を失ったり、
自分を変えようとしたりするなんて、
いや、もうさ、本当にやめるべきなんだ。

どんな世界で、どんなことをしていても、
どんな風に生きていても、
自分が自分であることを否定しちゃいけない。
自分自身の価値を過小評価してもいけない。

だって昨日も今日も明日も、
自分は自分。
自分でなくなるときは死ぬときだから。

そこを評価してあげられなくなったら、
生きてる意味さえ揺らいでしまう。

自分らしく歌う。
自分であるために歌う。
ありのままの自分で歌う。

それしかないし、それで充分です。

 

 - Life, 夢を叶える, 音楽

  関連記事

年齢の制限なんか、単なる幻だ。

中学のときのこと。 当時、クラスで常に成績の1〜3位の上位を争っていた、仲のよい …

本質で語れ!

ヴォーカリスト、作詞家、歌の先生とキャリアを重ねて、 なかなかの「いいお年」にな …

人に年齢を言うのをやめてみる。

年功序列文化の日本人は、年齢をアホほど気にする。 「何才ですか?」からはじまる会 …

音楽が人と人とを繋ぐのだ

コロナ(COVID-19)に翻弄されていた3年間は、時間の感覚が分断され、人と人 …

世界はあきれるほど狭い

むか〜し、 と書きたくなるくらい、遠い昔のこと。 カナダでデビューしないかと持ち …

音楽の価値って?

「いやぁ〜、サードに針落とすとさぁ、 『移民の歌』のイントロの前に、うっすら聞こ …

「表現したい」という欲求は、 それが可能な人にのみ与えられるエネルギー。

「クリエイティビティの源は何ですか?」と聞いたら、 「リビドーですよ」と答えたア …

「こんな曲やるくらいなら、あたし、バンド辞める」

カバー曲ばかりやっていた学生時代、 すでに社会人バンドでがんばっていた高校時代の …

答えなんかない。そもそも問題が存在しないのだから。

大好きなアーティスト、マルセル・デュシャンの名言に、 “There …

「人に頼れない」という「あかん」を返上するのだ!

こどもの頃から、一匹狼というか、(こんな顔なんで、一匹タヌキを自負しているわけで …