ZEPを見ながら考えた、「無意識に選び取ること」が“適性”
映画『レッド・ツェッペィン:ビカミング』を観てきました。
ツェッペリンの結成当時から初期の活動を振り返るドキュメンタリーで、メンバーの生い立ちや結成当時のことが本人たちのインタビューで構成されています。
映画を観ながら、結局、やってきたこと、やっていることが「人」を作るのだなと、ずっと考えていました。
音楽と出会って夢中になって。
楽器や歌に魅入られて、思い通りに演奏できるまで、延々と弾き続け、歌い続けて。
音楽を仕事にしようと、縁をたぐり寄せ、業界の中に入り込んで、またそこで学んで。
「プロ」として生活しながらも、自分自身の音楽の種を育てて。
バンドやって、ライブやって、曲作って。
音楽家には、私含め、こういう人がたくさんいます。
ただ、ジミーペイジのように、さらにその先、「何が何でも世の中に出る」というところまでゴールを描ける人は稀。
どれだけビジネスの道筋をつくっても、実際に、「縁や運」に恵まれる人はさらに稀。
このすべてが、ツェッペリンを作ったんですね。
「自分にはどんな音楽(歌)が向いているんでしょう?」などと質問してくる人が少なからずいます。
自分自身が無意識に選び取ることが「適性」。
今の自分は、生まれてからこれまで、自分が無意識に選び取ってきた経験の集大成。
だから、「今自分がやりたい音楽はなんだ?」と自分自身に問い続けることでしか「今やるべきこと」の答えはでません。
人は自分の中にあるものしか表現できないんです。
他人の言う「向き不向き」でキャリアを築いたところで、自分の中の表現欲求は満たされない。
情熱の向かないところに答えはないんですね。
人生が変わるきっかけも、生涯を支える学びや出会いも、振り返って、答え合わせをして、はじめてわかること。
だから、テクニカルな音楽をやりたいなら、できるまで練習すればいいし、アイドルやりたいなら可愛く、愛されるキャラになる努力をすればいい。
ファンとしてバンドやアーティストを支えたいなら精いっぱい推し活をやればいいし、
トリビュートバンドをやるなら、それこそ、本人かと思われるくらい徹底的に真似たらいい。
音楽を語り倒したいなら、思う存分書いたり、語ったりすればいいのです。
やりきると新しい可能性が開けます。
そこからまた、「次」のゴールを描いて突き進んでいく。
結局、それしかないのだなと。
どんな道を選んでも、「やりきる」ことでしか、キャリアは築けないんですね。
久しぶりにZEPを映画館で見て、そんなことをたくさん考えたのでした。
興味があったら、ぜひ観てくださいね。

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