大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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嫌なヤツはみな反面教師

      2016/12/11

「六本木行って!
え?道わかんないの?
あ〜、もういいよ。途中、こっちが言うから、とりあえず出してっ!」

 

さっきまで丁寧に、愛想よく打ち合わせをしていた人が、
タクシーに乗り込むなり、運転手さんにいきなり、
上記のような罵声を浴びせかけるのを目撃したことがあります。

その瞬間、その人に対する親愛の情が、
いきなり水を浴びせられたかのように冷めたことを、
今でもハッキリと覚えています。

人間性というのは、
そういうふとした瞬間に垣間見えてしまうもの。

「あ〜あ。こういう手合いの人間なんだ。」

一度でもそういうところが見えたら、ゲームオーバー。

二度と、その人に対して尊敬を感じることはできなくなってしまいます。

 

人間だって動物ですから、
自分の「位置づけ」のような意識は、
誰でも多かれ少なかれ持っているものです。

縄張り意識もあるし、マーキングもする。
自分の属している階層のようなものに対する、
プライドだって、あるでしょう。
しかし、それイコール、誰かを見下していいということには、
絶対になりません。

そもそも、自分がお金を払う側、
すなわち、お客さんというだけで、
相手よりも立場が上になるわけはないのです。

 

 

あぁ、こんなこと書き出したら、
世の中、それってどうよ?な人であふれています。

 

お仕事を頼んでもらっているくせに、
そのギャラが安いからと、仕事の手を抜く。

頼んでくれる人に、
所詮この程度の仕事を振ってくる人、と失礼な態度を取る。

「こんなところ、やめた方がいいよ」と、
雇い主を裏切るような話を、顧客や同僚に触れまわる。

 

さらには、

自分が仕事ができないことを悟られないために、
相手を威嚇する、という原始的な手法に出る。

敬愛されないことで、相手を逆恨みしたり、
いじけて無視したりする。

自分の方が上であるということを相手に思い知らせるために、
不遜な態度を取り続ける。。。

 

これまで出会った、この手の人たちに、
本当に立派な人や有能な人、
魅力的な人、人気のある人は、ただの1人もいませんでした。

 

だから、自分がこの手の人に酷い目にあったら、
あぁ、お気の毒に、と思えばよろしい。

反対に、自分がちょっとでも人によくない態度を取っているな、と思ったり、
仕事を舐めたり、手を抜いたりしているな、と思ったりしたら、

自分の立ち位置は危ういのか、
もしくは、自分も所詮「お気の毒な類の人間」なのかと、
反省しなくちゃいけません。

 

 

嫌なヤツはみな反面教師。

誰かをうらやんだり、
誰かの行動にいらついたりしたら、

そんな風に考えて、自分の胸に手をあてたいものです。

 

6402745 - funny nun carrying wooden ruler as a weapon

 - Life

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