大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「キミ、グルーヴないね」に悩んだら

   

少し前に『で、グルーヴって、なんなん?』 という記事を書きました。

 

音楽の現場で、こんなに頻繁に使われていることばなのに、
明確な説明ができないことばもなかなかありません。

グルーヴは日本語でいうと、「ノリ」。

「グルーヴ出して」や「もっとノリ感じて」を
「いい感じにお願い」みたいに言うこともあります。

 

・・・うーん・・・わからん。

 

 

私はグルーヴを
「リズムの点と線」という表現に対して、
「リズムの立体」とか、単に「うねり」と説明しています。

リズムの「点」はビート、
「線」はリズムパターンや音価。

グルーヴ=「立体」には、上記2つに、
強弱や緩急などの情報が盛り込まれているものと考えています。

 

さて。

 

若かりし頃、ほとほと、この、
「キミ、グルーヴないね」に悩んだ私は、
ありとあらゆることを試しました。

完コピを繰り返す、ジャズダンスを習う、歩きながら歌う、
黒人の動き、話し方、ノリ方をマネする・・・etc…

 

黒人俳優の登場する映画を見ながら、一緒に歩いたり、

黒人スポーツ選手が音楽を聴きながらカラダを揺すっているのを、
鏡を見ながらマネしたり・・・

 

だいぶ変態です・・・。
そうして、研究を繰り返すうち、いくつかの仮説が浮上しました。

 

1.グルーヴはカラダの動きと関係するらしい。
2.グルーヴのDNAを保有しているといわれる黒人は、
裏のリズムで歩いたり、話したりしているらしい。
3.グルーヴは、「無理に感じよう」とするじゃなく、
気持ちいいから、自然に出ちゃうものらしい。
4.グルーヴは呼吸とも関係あるらしい。
そして・・・

5. グルーヴは脊椎で感じるらしい。

 

さらに研究、実験、練習を繰り返すうち、
仮説は、じょじょに確信となり、
やがて、自分なりに再現できるようにもなりました。

 

音楽を聴いただけで、グルーヴが感じ取れる、
演奏しようと思うと、自然にグルーヴが出る、
そんな、「グルーヴが血にある」人たちや、天才たちのことは、
指をくわえてながめつつ、とりあえず放っておきましょう。

 

所詮、私たち、「えんやーとっと」の日本人。

 

「血にない」なら、左脳からしっかり情報を取り込んで、
感覚を取り出せばよいのです。

36233485 - music

明日7日(水)発行予定(ごめんなさい!予告より1日遅れの発行です)のメルマガno.131では、私なりにたどりついた、『グルーヴをマスターする方法』をマニアックにお届けする予定です。
2017年2月開講の【第3期MTL12】のメルマガ読者様先行お申し込み受付のURLも添付いたします。
バックナンバーも読めますので、興味のある方はぜひ読んでくださいね。
登録はこちらから。

 - 「イマイチ」脱却!練習法&学習法, 完コピ

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

毎日プレイしているだけじゃ「上達」はしない

「人生で一番練習した」と言い切れる時期はありますか? おそらく、ほとんどの人は、 …

ピッチの悪い歌が致命的な理由

音楽はピッチ(音の高さ)という概念があるから成立するもの。 どんなにリズム感がよ …

イケてないプレイヤーは弾きすぎる。

イケてないプレイヤーは弾きすぎる。 よく言われることばです。 例えば、 ソロを弾 …

「わ。ピッチ悪い」をどうするか。

初めて「ピッチが悪い」と言われたのは、 歌の学校に通いはじめて、しばらくしてから …

「センス」は左脳から学べ!

「なんでそう聞こえるかなぁ?」 プロを目指して修行に励んでいた頃から、 駆け出し …

no image
「つもり」はあくまでも「つもり」

ボーカリストがカバー曲を練習するときに大切なこと。 1.オリジナルをよく聞いて、 …

「切り替え」と「集中」で精度を上げる!

インプットとアウトプットを、 高い精度で両方一度にこなせるという人は 一体どのく …

「知ってる」だけで「わかった気」にならない。

「知識欲」こそが「学び」の基本。 「知りたい!」という気持ちが湧かなければ、 あ …

焦燥感や無力感が、 明日の自分をつくるエネルギー

もしも、人間のカラダに、 「歌がうまくなるスイッチ」というものがついているなら、 …

習慣化するための3つのコツとくふう

自主ロックダウンスタート以来、 新しい習慣がいくつかできました。 毎朝のヨガ(3 …