大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

で、「グルーヴ」ってなんなん?

   

「あいつのプレイ、グルーヴしてないんだよね」
「もっとグルーヴ感じて歌わないと〜」

 

ミュージシャンが頻繁に使うことばのひとつに、「グルーヴ」があります。

音楽学校にいっていた頃、辞書で” Groove”と引いてもなんだか釈然としない、このことばの意味を、友人に聞いたことがあります。

「グルーヴはね、宇宙のリズムだよ」

??

「セックスそのものだね」

????

「ま、俺ら、血にないからね〜」

・・・ちーん・・・

 

長年、グルーヴ、グルーヴ、言ってても、ことばでハッキリ説明できない。
「グルーヴはことばで説明するもんじゃないでしょ?」と言い切る人もいる。

 

で、「グルーヴ」ってなんなん?

 

いやいや、ググっても、答えはみつかりません。

試しにwikiってみれば、「素晴らしい演奏を表す言葉の1つ」などと、もっとわからなくなるだけです。

 

明確な答えがない以上、解釈も自由ですが、私は、「音楽の立体的なうねり」と理解しています。

単にリズムという側面だけではなく、メロディやダイナミクスの表現にも、そこかしこにグルーヴは感じられるもの。

 

日本の音楽にだって、もちろんグルーヴはあります。
日本人特有のグルーヴ、というのがあるのです。

 

たとえば・・・「ど〜ん ど〜ん どんがらがった どどんがどん」ということばを読むだけで、お腹の底で感じられるのが、和太鼓のグルーヴ。

 

どんなに日本語が堪能な人でも、和太鼓を聞いたことがなければ、あのグルーヴを感じること、表現することは不可能でしょう。

外国人が和太鼓を叩いたり、盆踊りを踊ったりするには、相当な修行が必要なはずです。

 

日本のお経にも特有のグルーヴがあります。

以前映画で、外国人が日本のお経を唱えているのを見ましたが、なんとも間延びして感じられたのは、日本語の稚拙さのせいだけではありませんでした。

DNAレベルの話や、前述のような「血にない」説には、私は懐疑的です。

 

ただ、生まれ育った文化圏、両親が日々表現しているグルーヴなどが、自分自身の生きるグルーヴに影響を与えるということは、充分考えられます。

 

グルーヴは音楽だけでなく、話すことばの中にも、歩くリズム、走るリズムの中にも、もれなく存在しているもの。もちろん、赤ん坊をあやすリズムにもグルーヴはあるでしょう。

こればかりは、生まれてすぐに、自分自身の家族と一切のコミュニケーションを断ち、異文化の、異国人に育てられたという人と、通常の育ち方をしたという人との双子のペアでも観察しない限り、絶対にわからないことかもしれません。

 

グルーヴが後天的に学習するものであると仮説を立てるなら、まだまだ私たちにも体得する余地はあるということ。

まずは左脳から、さまざまな知識やノウハウ、聴き方や感じ方のコツを学習し、自分の感覚を呼び覚ます方法が有効です。

 

グルーヴ感は自転車に乗る感覚と似ています。一度わかると、二度とわからなくならないもの。そして、なんで、もっと早くグルーヴに気づけなかったんだろうと思うほど、気持ちのいいものです。

 

Let’s Groove!(^^)

56206692 - dance class with instructor and close up of african drums

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