大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

「初めて」が「自分の基準」になる!

      2016/05/26

オーディションなどの審査をするとき、
最初に出てきたパフォーマーが、まずは採点の基準になります。

例えば、そのパフォーマーを、仮に70点とつけたとして、
次の子は、その子のパフォーマンスを基準にプラスマイナスで点をつける。

後から出てくるパフォーマーのすべてが、
最初のパフォーマーより大きく劣っていたり、
反対に大きく優れていたりしたら、基準の点数を書き換える。

 

つまり、「初めて」が、
その後の自分の価値判断に大きな影響を与えるのです。

 

これは、どんなことにも当てはまります。

 

 

「最初から本物のFenderやGibson持ってたヤツと、
パチモンのギターで練習してたヤツとでは、雲泥の差があるんだよね」

とは、某ギターリストのおことば。

 

「最初」のグレードが低ければ、なかなか一段上には上れません。

 

「初めて持つ楽器こそ、ある程度以上のグレードのものを選ぶべき」
という、多くのプレイヤーたちのことばもうなずけます。

 

音楽教育も同じでしょう。

 

「とりあえず」ではじめてしまえば、
「とりあえず」がスタンダードとなっている人たちと
付き合うことになります。

それでは、次のステージはなかなか見えません。
「とりあえず」の先に、一流はいないのです。
高い目標を持って何かをはじめるのであれば、
(もちろん、やってみなければわからないのは重々承知の上で)
やはり「初めて」を、可能な限り厳選することが近道になります。

たとえ、最初は
自分にはグレードが高すぎてちんぷんかんぷんだったとしても、
高い基準をクリアすべく努力することは、
必ず将来のプラスになるはずです。

 

ただし、心地よくない場所で無理をするのは禁物。

あくまでも、「ドキドキ、ワクワクする程度のちんぷんかんぷん」
が理想ですね。

 

余談ですが・・・

「イギリス人ってすげえんだぞ〜。地下鉄の駅でS○Xするんだぞ〜」
とは、生まれて初めて訪れた英国で、
そんなシーンに出くわしたという若者のお話です。

ちなみに、イギリスでそんな人に出会う確率は、
東京でそういう人たちに出会うのと同じ確率か、少しだけ高いくらいか。

 

「初めて」が人に植え付けるイメージって、大事よね〜と、
しみじみ思ったお話でした。

 

「初めて」。

大事にしましょうね!

 

39503376_s

 - Life, 「イマイチ」脱却!練習法&学習法

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


  関連記事

旅立つ若者たちに、伝えておきたい3つのこと

大学の卒業ライブが終了し、 いよいよ卒業生たちを送り出すときがきました。 &nb …

ネックの曲がったギター vs. 姿勢の悪いヴォーカリスト

姿勢やフォームが悪いヴォーカリストは、 ネックの曲がったギターに例えるのがもっと …

プロフェッショナルの歌は、「リズム」が違う!

プロフェッショナルと、一般の人の歌の、何が違うと言われたら、筆頭にあげるのは、間 …

カラダを粗末に扱わない。

カラダは神様がくれる、生涯たったひとつの大切な宝物。 大切につかえば、ちゃんとこ …

「今さらそんなことして、どうするつもりなの?」

思わず口をついてでることばには、 その人が日頃、何を信じているかが反映されます。 …

「悔しい」「うらやましい」「憎たらしい」がパワーの源

自分が叶えたくて仕方のない夢を、 身近にいた人があっという間に実現してしまったと …

「風邪は引かないことにしています」

長年アニメのディレクターとしてお仕事をしている姉が、 高校生の頃、父の学生時代の …

「自分の名前」と、今一度向き合う。

作詞者は曲のタイトルを。 編集者は、本のタイトルを。 起業家は会社名を。 そして …

「苦手なことは、時間と共にますます苦手になる」悪循環を断つ3つの方法

人は、得意なこと、適性があることを、 好んでやる傾向があります。 また、自らは、 …

知的に怠惰になった時点でゲームオーバー

PCをつかって仕事をしていると、 日々、知識をアップデートする必要に迫られます。 …