自分を追い込める人こそが、最も成長する。
人の一所懸命度は、
その人のおかれている状況の難しさに比例する。
よく言われることですが、
一所懸命学ぼうという大人たちの姿を見るたびに、
ホントだなぁと、しみじみ感じます。
時間がないほど、一所懸命時間を見つけて練習する。
距離が離れるほど、学習欲求が高くなる。
努力することで、自分が受けているレッスンの価値を高めたいと考える。
年を重ね、学習スピードが落ちるほどに、
少しでも学んだことをモノにしようと、
あの手、この手、工夫をこらす。
やっぱり、
切羽詰まること、
追い込まれることは、
人間がエネルギーを出すために必要なことなのです。
とはいえ、
若い頃は、なかなか限られた時間の大切さに気づけないもの。
「時間」というものに対する漠然とした不安はあるけれど、
なかなか現実問題として、とらえられないのは、
年を重ねることでしか、時間を経験することができない以上、
仕方のないことなのかもしれません。
例えば、大学生たちは、卒業ライブの指導期間に、
劇的に成長します。
大きな会場でのコンサートを目の前に、
自分の実力に直面し、焦る、
卒業までのカウントダウンに入って、
はじめて時間が限られていることに気づく。
そこでやっと、
納得いくまで、練習する、
指導に当たる講師たちにどんどん疑問をぶつけ、
フィードバックを求め、
歌だけでなく、すべてにおいて、自分を磨こうと、
持てるエネルギーのすべてを集中させる・・・
「在学中にこのくらい真剣に取り組めていれば、
みんなすごいミュージシャンになったろうにね〜・・・」
などと、先生方がぼやくのも無理はありません。
誰よりも早く、誰よりも強烈に、
自分を追い込めた人、
そこに立ち向かって行けた人が、一番成長する。
自分の環境、状況は、いつだって、自分がつくるのです。
コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』
購読はこちらから。
関連記事
-
-
「切り替え」と「集中」で精度を上げる!
インプットとアウトプットを、 高い精度で両方一度にこなせるという人は 一体どのく …
-
-
バンドとカラオケは全然違うっ!
カラオケ育ちの若者たちは、バンド内のコミュニケーションが実に苦手です。 &nbs …
-
-
ヴォーカリストこそ、もっと、ちゃんと「聴く」!
バンドのパートの中で、一番コピーしやすくて、 誰でも、そこそこやれるパートってな …
-
-
「Fが難しくて弾けない」って理由でギター、やめる〜?
昨日、某大手プロダクションのお偉い方との会話。 M「最近、ギター科 …
-
-
どうして私はがんばれない?
「なんか、最近、がんばれないんですよ〜。 がんばらなきゃいけないの …
-
-
焦燥感や無力感が、 明日の自分をつくるエネルギー
もしも、人間のカラダに、 「歌がうまくなるスイッチ」というものがついているなら、 …
-
-
「初めて」が「自分の基準」になる!
オーディションなどの審査をするとき、 最初に出てきたパフォーマーが、まずは採点の …
-
-
“なんちゃってコピー”は、いい加減卒業する。
賛否両論あると知りながら、 ここでたびたび完コピについて取り上げるのは、 今も昔 …
-
-
自分自身のフィードバックシステムを磨く
オープンレッスン12、全6日間の3日目が終了しました。 発声と歌の …
-
-
「歌の練習」って、なにしたらいいんですか?
「練習って、なにしたらいいんですか? MISUMIさんは、なにしてるんですか?」 …