やっぱ、英語なんだよなぁ。
日本語の歌を歌っているとめちゃくちゃカッコいいのに、
英語の歌になったとたんに、「あら、残念…」となってしまう人は、
プロアマ問わず、かなりな確率で存在します。
おとなになってから、いや、ティンエイジャーを過ぎてから、
英語の歌を歌いたいと練習を始めるなら、
単に音源を何度も聴いたり、
発音の練習を繰り返すだけではダメです。
そもそも、英語の肝心な音が聞こえていないので、
マネしているつもりが全然似ていない、
できているかどうかもわからないから上達しないのです。
昔、テレビ番組で、生まれたばかりの子猫を
縦ジマで取り囲まれた部屋で育てると、
その子猫は、横ジマを認識できなくなって、
横に置かれた障害物にぶつかってしまうという、
むごい実験をやっていました。
脳って、ものすごくエネルギーを消費するものだから、
不要な認識能力はカットされていくというのです。
日本語の母音は5個。
家庭の会話では、5個の母音しか使われないから、
どんな音でも聞き分けられるという、持って生まれた能力は、
7才くらいまでにどんどん失われて、
結果、どんな母音を聞いても5個に分類して聞いてしまう、とか。
英語の母音は20数個。
それを5個におおざっぱに分けて発音していたら、
そらぁ、カッコよく歌えるわけがありません。
怖いわぁ〜。
そうなると、完全にホープレスなイメージですが、
ここでめげてはいけません。いや、めげません。
おとなになったあたしたちだからこそ、
その学習能力と情報処理能力を最大限に利用して、
脳の不足部分を補っていけるはず。
これが脳科学的に正しい解釈なのかどうかは露知りませんが、
少なくとも、私は、そう信じています。
まずは、自分には聞こえていない音があるのだということを認める。
そして、その、聞こえない音の正体を突き止める。
だって、そこに音はあるんです。
耳はちゃんと、全部拾っています。
聞こえないのは、脳を情報が通過するから。
通過しないように、じーーーっと耳をすまして、
聞こえる、聞こえる、と自分に言いきかせる。
これね、心霊写真に映っているゴーストを探すようなイメージです。
見えるはず、見えるはず、といわれて、じっと目を凝らす。
そうすると、なんか、うっすら見えてくる。
一回見えると、何回見ても、そう見えるようになる。
・・・ちょっと違うか。
でも、そんな感じ。
音源のスピードを遅して、何度も聴いてみる。
歌詞カードをつくって、単語の発音、いや、母音の発音、ひとつひとつを確認する。
YouTubeなどでネイティブが発音しているようすを観察して、
実際に口を動かして、音をひとつひとつつくってみる。
するとねぇ、ちょ〜っとずつ、聞こえるようになってくるんですよ。
そして、聞こえてくると、自分ができていないこともわかるようになる。
いろんなくふうを重ねながら、だんだんと、ちょ〜っとずつ発音できるようになる。
もちろん、ネイティブや帰国子女のように、
ぺんらぺんらになるわけではありません。
でもさ、人間の脳ってやっぱりすごい。
「あたしゃ、本気で英語やりたいんだ!」ってことを伝え続ければ、
休眠中の脳のどこかが、ちゃんと、ぱこーんと開いて、手助けしてくれる。
いやー、そこまでやらなきゃダメなんだぁ…と思った人も多いでしょうか。
まぁ、他の人ができないことをできるようになるためには、
人とおんなじことやってちゃダメなんで。
後は、やるか、やらないか。
…ってのは、なんだって、おんなじです。

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