大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

*

MTL14周年〜「苦労話」は、明日へのエネルギー!〜

   

歌うこと以外の仕事をすることなど、
これっぽっちも考えていなかった私が、
断り切れずに音楽学校で教えはじめたのは1999年のこと。

1年、2年と勉強してきたはずの学生たちの、
こんなことも知らないの?え?これもできないの?
というようすに驚愕。
彼らの修行期間を少しでも短くしてあげたい一心で、
自分のカラダや歌を研究しながら、メソッドをつくりはじめました。

当時は、うるゴメでWarnerからメジャーデビューしたばかり。
Beppも盛り上がっていたし、
スタジオ中心に仕事もバリバリやっていて、
「別に仕事困ってないけど、
ま、老後のために後進指導のノウハウをためておくのもいっか・・・」
くらいの、罰当たりかつ、軽い気持ちではじめたトレーナーのお仕事でした。

やがて、レッスンが評判になり、
京都の音楽学校にも教えにいくようになり、
最初のヴォイトレ本の出版が決まり・・・

このメソッドを世に広めることが、
自分のミッションなのかもしれないと、しぶしぶ認めて、
「ヴォイストレーナー」という看板を出したとたんに、
名だたる有名アーティストたちのヴォイトレや、
大手事務所の育成事業のお仕事が次々入って来ました。

運命の後押しを感じるってこういうことなんだ。
音楽の仕事をしている時には感じられなかった、
大きな流れに乗っかったような感覚でした。

スケジュール管理をお願いしていた事務所から独立すべく、
起業の勉強をはじめ、1年後の2008年8月8日、
今もお世話になっている会計士の森安理恵先生のお力を借りて、
マジカルトレーニングラボ株式会社を起業しました。

勇気を出してご連絡したデザイナ−、ウジトモコさんに、
素晴らしいHPをつくってもらえることになったり、

手帳と電話とPCと・・・とあっちこっちで管理すると、
なにか間違いが起こりそうだし、
どうしよう・・・と悩んでいたら、
そのタイミングでiPhoneが登場したり。

まぁ、ついてました。本当に。

そうそう。
伝説の山本印店で素敵なハンコもつくってもらったなぁ。

ワクワクドキドキ起業したけど、
最初は、前事務所から仕事のバトンをなかなか受け渡してもらえなかったり、
満を持してスタートしたセミナーに、
ひとりもお客さんが来てくれなかったり、

毎日不安で、貧乏くさくて、
大泣きしたことも、そりゃあいっぱいあって。

あれから14年もの時間が経ったなんて、
いやー、ちょっとぉ、全然信じらんないんですけど。。。

そして、振り返れば、苦労したことほど、
宝物のようにキラキラいい思い出で。

コロナ禍で、これまでのやり方が通用しなくなって2年半。
くふうとか、本気度とか、ガッツとか、
いろんなことを試されている気がします。

しかしね。

振り返れば、必ず、カラカラと高笑いできる日がくる。
懐かしいね〜。あの時、大変だったよね〜。
と、また苦労ネタを自慢げに披露しまくれる時がくる。

2022年8月8日。

MTLは、ここからまた、新たなフェーズに立ち、スタートを切ります。

いつもMTLを愛してくださるみなさん。
影になり日向になり、支えてくれるインストラクターズ。
惜しみなくその力を貸してくれる、
スタッフのみなさん、関係各社のみなさん。
そして、もちろんジェフ夫さんにも。

いつも本当にありがとうございます!
そして、15年目のMTLも、
ますます、よろしくお願いいたします!

*写真は、2008年起業当初のレッスンルームと私のプロフィール写真、そして愛しの名刺です。

 

 - MISUMIの日記&メッセージ, My History, ヴォイストレーナーという仕事

  関連記事

よどみなく、 迷いなく、 明確に。

「先生」と呼ばれる立場になって、 しみじみ、「先生」というもののあり方を考えるよ …

誉められたら嬉しい。喜んでもらえたら、もっと嬉しい。

誰かに誉められたら嬉しい。 髪が素敵、でも、 歌がじょうずだね、でも、 おしゃれ …

人生は声帯様!

新年おめでとうございます! 2020年初ブログです。 お正月三が日は毎年、 今年 …

「学校なんかいくら通ったって、 人を感動させられる歌なんか歌えるようにならないだろ?」

音楽やりたい、バンドやりたい、と思った瞬間を覚えているでしょうか? お兄ちゃんが …

「人生変わりました」

「MISUMI先生のおかげで、人生変わりました」 先日、某会社の社長さんが、生ま …

知識でも、思考でもない。メソッドは創造するものなんだなぁ。

どんなに知識を詰め込んでも、 あーでもない、こーでもないと考えても、 クリエイテ …

で?なにがやりたいわけ?

高校時代、多重録音というものへのあこがれが高じ、 ラジカセをふたつ向かい合わせに …

大どんでん返し!?

『宇宙戦争』というSFの父、H・G・ウェルズの名作小説があります。 ネタバレを承 …

どんなに「ふり」をしても、オーディエンスは一瞬で見破るのです。

「わからないことを、わかっているかのように、 できないことを、できるかのように語 …

譜面台を立てる時のチェックポイント〜本編〜

さて、お約束どおり、 今日は、自分のための記録の意味も込めて、 「譜面台を立てる …