大槻水澄(MISUMI) Blog 『声出していこうっ!』

ボイストレーナー大槻水澄(MISUMI)が、歌、声、音楽、そして「生きること」をROCKに語ります。

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譜面台を立てる時のチェックポイント〜プロローグ〜

   

こちらのブログで繰り返し語っているように、

「ヴォーカリストたるもの、
人前で歌うなら歌詞を覚えるのは当たり前。」

その考えは今も変わりません。
カラダに入っていないものは表現できないのです。


そんな信念を貫くために、
これまでどんなに不安な時も、苦しい時も、
意地になって譜面台を立てず、
歌詞カードをおかず、を貫いてきました。

 

しかし・・・です。

一昨年くらいからギターを弾きながら歌いたいステージが続きまして。

それなりに練習を積んでも、
ギターのコードだけはどうやっても覚えられない。

いや、正確に言えば、
「これで覚えた!よっしゃ!」とステージに立ったはずなのに、
きれいさっぱりすっぽ抜けてしまう事件(?)が何度か続きました。


前回のDazy’sライブなどでは、
自信満々だった曲のコードが、文字通りひとつも思い出せず。
最初から最後までギターは、
単なる「でっかいアクセサリー」となってしまったりもしました。

これには相当がっかりしました。

いや、実際、
ギターに関しては本当にブランクも長いし、
自信があるわけでもないので、
難しい曲はパスするし、
難しいコードはカポつけて簡単にする。

そうやって、工夫に工夫を重ねながら、
ギターのあるときは歌よりギターを練習するくらい。

それでも、「あーあ」となる。

こういうのは脳の経路の問題らしく・・・。
どうやら若い頃にちゃんと習慣化すれば、
脳の経路はしっかりできるらしい。

もちろん、大人になっても、
経路をつけることはできるのだけど、
それなりに時間と努力がいるらしいのです。


練習のときはなんとかなっても、
目の前を大量の音や視覚情報が飛び交う本番は、
いやはやびっくりするくらい吹っ飛ぶ。

そうやって、明らかに間違ったコードを弾いて、
肝心の歌がボロくなったり、
言い訳して、諸先輩方に叱られたり・・・。

もう、完全にダメなアマチュアです。

 

こうなると、三択を迫られます。

1. ギターを弾くのを諦める←絶対にいや

2. 自分のギターの音を一切出さないでもらう
←音が出ないとなおさら酷く間違えるし、単なるご迷惑。

3. カンペを貼る。もしくは譜面を見る。

特に先日のMaybe’sのライブのように、
サウンド的に大事なパートを担当することになると、
もう選択肢は<3>以外にはありません。

 

そこで、今回のMaybe’s ライブでは、
何十年ぶりかで譜面台をドカンとステージの真ん中に据え、
勇気を出して全曲分譜面を準備してライブに挑みました。

 

ところがです。

ここで予想外の気づきがたくさんありました・・・

 

というわけで、前置きが長くなりすぎて、
肝心の内容にたどり着かないうちに結構な長さになったので、
この続き、『譜面台を立てる時のチェックポイント』本編はまた明日!

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