焦燥感や無力感が、 明日の自分をつくるエネルギー
もしも、人間のカラダに、
「歌がうまくなるスイッチ」というものがついているなら、
セミナーに来てくれるお客さんがいなくなろうが、
学生が2回目以降一切授業に出てこなかろうが、
MTLが商売あがったりになろうが、
私は迷わず、喜んでそれを押してさしあげたい。
もう、長いこと、ずぅ〜〜っと、そんなことを考えて来ました。
さまざまなメソッドを考えて来たのも、
すべてを細分化し、わかりやすく、シンプルにしたのも、
歌を志す人たちの一人でも多くが、
せめて、自分自身で、そのスイッチ(的なもの)をみつけ、
押すことができるようになったら、という思いからです。
しかしね。
残念ながら、そんなスイッチはどこにもない。
シンプルに、シンプルにと考えているメソッドも、
ぱっちん、で事足りる「スイッチ」にはほど遠い。
それぞれの腑に落ち、消化できるまで、
結局、みんなの心を混乱させ、不安にさせ、
焦燥感や無力感でいっぱいにしてしまっている。。。
そんな風に感じるたびに、
あぁ、まだまだだ。
もっともっとわかりやすくするには、どうしたらいいんだろう。
と、今度は私が焦燥感と無力感に苛まれるのです。
しか〜〜し!!!!!
そんな焦燥感や無力感が、
明日の自分をつくるエネルギー。
苦しければ苦しいほど、
絶対に突破してやろうという気持ちがわき起こる。
前に進むエネルギーが充ち満ちてきます。
そして、そして、そして、
必ず、ぱぁ〜っと扉が開く瞬間はやってきます。
その瞬間は突然訪れるのです。
トレーニングをシンプルにしているのは、
その成功体験を積み重ねて欲しいから。
ひとつできれば、次もできる、という自信になるからです。
最初は重たい鉛を足につけて、
カメのように地面を這っている感覚かもしれません。
一体全体自分は前に進めているのか、
それとも1ミリも進めていないのか、
わからないように感じるときもあるかもしれません。
しかし。
苦しい時こそ、
絶対に、確実に、前進しています。
あるとき、突然、
「あれ?私、こんなところまで昇れていた・・・」
と、気づくのです。
だからね、
苦しい時こそ、前進している自分を信じて、
自分を誉め倒して、進みましょう。
まだまだ行くぜ。
行こうぜ〜っ!
当分、負けるわけにはまいりませんのよ。
わたくしたち。
コアでマニアックなネタを中心に不定期にお届けしているヴォイトレ・マガジン『声出していこうっ!me.』
購読はこちらから。
関連記事
-
-
英語の歌詞を覚える最終手段は“映像化”と“体感”
「三つ子の魂百まで」というけれど、思春期に捕らわれた思いこそが人生を左右するんじ …
-
-
「歌の練習」って、なにしたらいいんですか?
「練習って、なにしたらいいんですか? MISUMIさんは、なにしてるんですか?」 …
-
-
鏡を見ない!?
何年か前、女優の黒木瞳さんが、 その美しさの秘訣を聞かれて、 家では鏡を見ない、 …
-
-
「誉めて!かまって!」症候群
誰かにかまわれたい、 誉められたい、 認められたいという欲求は、 人間である以上 …
-
-
「華がない」ってなんだよ?
あれは確か大学卒業目前の冬休みのこと。 大学生2年生くらいから、夏休み、冬休み、 …
-
-
話を聞かない生徒 話をさせない先生
「これは、こんな風に歌うのよ」と、 お手本を聴かせるためにこちらが歌い出した瞬間 …
-
-
抜本的に、根本的に、ミュージシャンは、まず、そこ!
一定のレベル以上のミュージシャンになると、 そこから上の実力の差は、 一般の人の …
-
-
「じゃ、”ハモる”って、どうするの?」コーラス上達法②
さて、昨日の投稿『きみ、ホントに、よくプロになれたよねぇ。』②でも、 紹介したと …
-
-
ことばに「自分の匂い」をしみつける
ことばには、話す人の匂いがあります。 同じことを言うのにも、ことばの選び方や言い …
-
-
ペダル、踏んじゃだめよ。
小学校4年の時に、友だちの弾くピアノの調べに胸を射貫かれ、親に頼み倒すこと3年あ …
- PREV
- 「雰囲気」とは身にまとうもの
- NEXT
- 自分を追い込める人こそが、最も成長する。

