「ビートを立てる」って難しい。〜Singer’s Tips #11〜
「もっとビート立てて、リズムよく歌って。」
などというディレクションを受けることは、
プロアマ問わず、よくあること。
ビートというのは音楽の「点」。
その「点」をいかにシャープに、
パキッと演奏できるか、歌えるかは、
楽器の種類に関わらず、
ロック、R&B、Popsなどの音楽において、
演奏全体のクオリティを大きく左右する重要なポイントです。
ところがこの、
「ビートを立てる」が実に難しい。
1音1音にアクセントをつけて弾こうとする人が多いのですが、
いたずらに音量を上げると、
かえって、肝心の「点」がハッキリしなくなったりします。
楽器でもおなじですが、
ビートを立てるということと、
1音1音を強く演奏するということは、
まったく別のことなのです。
ビートを立てるには、
1音1音がクリアである必要があります。
ギターならピッキング。
ピアノならタッチ。
歌の場合は、ことばの発音です。
日本語というのは、
子音と母音がワンセットになった言語ですから、
子音を立てようとアクセントをつけると、
むしろ母音が大きくなって、
かえって、ことばもビートもぼんやりしがち。
大事なことは、子音に時間をかけて、
音の周波数を強調すること。
時間をかけるといっても、
リズムがもたったり、
突っ込んだりするほどの長さではありません。
例えば、0.02秒長めに発音するだけで、
子音は急激にくっきり聞こえると言われています。
0.02秒なんて、実際に意識して伸ばせる長さではありません。
「ちょっと長めに発音する」という意識を持つだけです。
母音の場合は、
声帯様が開くタイミングをちょっと遅らせて、
ぽんっとはじくように歌うイメージです。
母音のスタッカートや、
子音だけのスタッカートの練習をすると、
ぐっとクリアになっていきますよ。
こういうちょっとした知識が
歌のセンスを磨いてくれるものなんです。

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